part1
昔々あるところに、齢3つの少女がいました。
名をニノミヤ ヤマネと言いました。
ヤマネは小さな里で、お母さんとお父さんに大切にされて
育ちました。
さて、ヤマネが住む里である掟がありました。
『子供が5歳になった時、舞を捧げ、
厄神様を封印すべし。』
舞と言っても簡単なものでしたが、ヤマネは一生懸命練習を重ねていきました。
そして時が流れて、ヤマネは5歳になりました。
いよいよ、舞いを舞う時です。
軽やかに、それでいて気品高く舞い踊りました。
幼気な少女、ヤマネは、子供とは思えないほど、
美しく舞い終えて、こう言いました。
ヤマネ「神様、どうか厄神様をお鎮めください。」
こうして1日を終え、ヤマネは両親と共に家へと
帰りました。
ヤマネは疲れ切っていたのか、夜はぐっすり
眠れました。
お母さんの子守唄はないけれど、ヤマネは幸せそうな笑顔で寝ていました。
そして、変わった夢を見ました。
あたり一面が霞に包まれていて、とても心地よい。
しかしながら、ヤマネは一歩も動くことができず、
恐怖します。
ふと顔をあげると、ヤマネの目の前に誰かがいます。
髪が落武者のように乱れていて、目に光はなく、
鋭利な剣を携えています。そんな醜悪な容姿では
ありましたが、どこか神聖さを持ち合わせています。そんな目の前の人は、こう言いました。
???「お前か?私を封印しようとしたのは」