99.手紙
家に凄い勢いで帰って来たフランをミハが出迎える。
「お帰りー。フラン、どうしたの?」
「ミハ、ヒイさんは?」
「帰ってるよー。呼んでくる?」
「ううん。行く」
「手紙の書き方?」
「うん。明日リガルが、欲しいって言ったら、手紙をくれるって」
喜びとやる気が漲り過ぎる、早速作った縁側を活用して駆けるように訪ねてきたフランをヒイが驚きつつ招き入れる。
「良かったね。それで、フランさんもリガルさんへ手紙を渡したいの?」
「そう。自分が嬉しいことは人も嬉しいし、喜ぶことが多いって。エルディランドゥさんが」
「じゃあ、お手紙を書いてみよう。まずは手紙を書く紙を選ぶといいよ。サラナサさーん」
「なに?私?」
恐々呼ばれて出てきたサラナサにヒイが聞く。
「紙漉きどう?」
「順調」
得意分野を訊ねられ、胸を張って答える。
「売ってくれる?」
「いいよ。今、あるのはこれくらいだけど、いい?」
「充分あるよ」
サラナサが持っている商品化した和紙をヒイが全て買い取る。代金を支払うと、サラナサが嬉しそうに自分の部屋の貯金箱に貯めに行ったようだ。なるべく手紙が書きやすい和紙を並べ、その中からフランに選ばせる。
「フランさん、どれにする?」
「うーん」
手紙を書いたことがないフランが悩みに悩む。
「どんな事を書きたいの?」
「もっとお話できますようにと、色について聞きたいことがあるの」
「リガルさんとのお話は楽しい?」
「うん。でも、もう少しってところでいっつも帰っちゃうの。それでね、もっといっぱいお話できるように手紙書いてくれるって」
「それで、手紙をやり取りしようという事になったんだ」
「あ、これにする。色がたくさんある!」
フランは様々な色の水玉が漉き込まれた和紙を手に取った。ヒイはフランの力強さを考え、筆記具を出す。
「フランさん。字はこの鉛筆で書く?それとも、クレヨンにする?」
「色、いっぱい使う」
「どんどん、書くといいよ」
ジョンが作った鉛筆を仕舞うとフランの手紙を書く様子を見守った。まあまあ、大変だった。




