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98.回答

 何日繰り返されたか、フランは毎日、訪ねて来て疑問に思っていることを説明してくれるリガルに懐き始めていた。


「今日もすぐ帰っちゃう?」


 リガルは逸る気持ちを抑えつつ期待しすぎずは、無理で興奮して問い掛け返す。


「フラン、私にもっといて欲しいのですか!」

「うーん。知りたいことが沢山あるの」

「それは、いいですね」


 例え、生き字引として使われていようとも嬉しい。


「フラン、そいつも仕事で忙しいんだ」

「そうなの・・・」


 ズウゾの言葉にしょんぼりする。何だか、淋しい。もっと、沢山話せればいいのに、と思う。


「フラン、手紙を書いてきますから、ご家族に会える時や場所を増やせないか聞いてみましょう?」

「いいの?手紙!私も欲しい!」

「ええ。フランにも書いてきますね」


 ズウゾがぼそりと告げる。


「でれでれだな」

「本当ね」

「うおっ!出たな、ユガリ」


 リガルと同じ色の髪を揺らし、いつの間にかユガリが現れて、ズウゾに応える。


「まあ、凄い鍛冶場ね」

「おい、聞けよ! 触るな。お前に、手を出されると壊れる!」

「失礼ね。壊れる訳じゃなくて、精霊が逃げるくらいよ」


 大慌てで、ユガリの動きをできるだけ最小限にしようと声を荒げる。


「それが一番大事だろう!!寄るな!動くな!それで、なんの用だ?」

「珍しい、息子を見に来たのよ」

「そうか。見たな。帰れ!」


 ズウゾとユガリがわいわいやっていることに気が付いたフランが近付いてきた。リガルは必死に止めようとしている。


「リガルのお母さん?」

「ええ。初めまして。ユガリよ」

「はじめまして。フランです」


 ヒイ達に教わっているため、フランも頭を下げて挨拶をする。


「とっても良い子ね」

「お母さん。お久しぶりですね」

「何だか愉快なことになっているのね」

「そんな事はありません。では、仕事がありますので。フラン、また明日。急ですみません」

「うん。また明日。お母さんは・・・」


 フランがお母さんを置いて行っていいのか確認する前に、さっと退散したリガルには特に構わず、ユガリがフランに向き直る。


「連れない子より、可愛い子ね。フランさん、私と一緒に遊びましょう?」

「? 私も仕事がありますよ。ユガリさんは?」

「今日は休みなの。でも、お仕事なら仕方が無いわね。今度、お店に遊びに来てね?」

「なんのお店ですか?」

「聞いていない?魔女の店よ」

「正確には魔女がやっている店だけどな」


 ぼそりと告げたズウゾにユガリの視線が行き、手がすいと動く。


「うおー!魔女の店、魔女の店だよな。分かったから、触るな」

「いつも間違うんだから。今日はこのへんで」

「もう、来るな!」

「じゃあ、あなたが来てね」


 ズウゾの声がユガリの背中を見送った。

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