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94.優先

「分かりました。条件を話し合いましょう。フランさん、リガルさんはまた整理して説明しに来てくれるって」

「そうなの?」

「ええ。まだ未熟でした」

「結婚はいいの?」

「フランさん。結婚の条件は覚えている?」

「うーん。お互いの意志」

「フランさんは結婚したい?」

「・・・どう、かなー」

「したくなったらすればいいんだよ。今は鍛冶が楽しくて、やりたい事でしょう?」

「うん!!」


 フランの満面の笑みと共に返事が返って来た。これは惚れない人はいないくらいの眩い笑顔だった。本気で好きでやりたいことが伝わってくる。リガルへ釘をさすことも多そうなので、ヒイとクロ、ミハ、エルディランドゥが残り、ケイとフランは解散となった。

 清々しささえ感じつつ退出するフランに対して、ケイがほっとしたような這う這うの体で続く。


「さて、リガルさん。私からの希望はフランの好きなものやこと、やりたいことを妨げないで欲しいこと。フランの疑問を解消すること。フランの希望を優先すること。フランの気持ちを待つこと。フランがリガルさんのことを好きになってから、結婚を申し込み、了承を得てから結婚すること。フランに会いに来るのは昼間に鍛冶場に来ること」

「ま、待って下さい。会えるのは昼にズウゾさんの鍛冶場でだけですか?」


 リガルは数々の条件を物ともせずに、引っかかったのは一つだけのようだ。


「はい。リガルさんのお仕事では難しいですか?」

「何とかはなりますが・・・」

「それなら、その条件でお願いします。ちなみに、お仕事は何を?」

「こちらの領地を治めております」

「!!領主なのー!!エルディランドゥ知っていた?」


 ミハの驚きの声に続き、エルディランドゥの謝罪が続く。


「いや。領主様でしたか。失礼致しました」


 ミハは挨拶しあうエルディランドゥとリガルを眺めつつ、ヒイが白々しく職業を尋ねた訳を考えていた。しかし、聞いた方が早いとすぐさま方向転換する。


「お姉ちゃん、職業が何か関係あったの?」

「そこまではないけど」

「ないの!?」

「ケイさん達が商業ギルドに狙われることは無くなるかなって思って」


 リガルがヒイの言葉を聞いて振り返った。


「どういうことでしょう?」

「ユガリさんが解決して下さったので、よく知らないんですよ」

「そうですか・・・」


 何かを考え込むリガルに、今日の所は引き上げて貰う。考え事で上の空だったのか、あっさりと承諾しリガルは帰っていった。ミハはエルディランドゥやマロウの時との違いに思わず尋ねた。


「帰って貰って良かったの?」


 ヒイが肩を竦めて口を開いた。


「フランさんが少しでも意識したら考えるよ」

「確かに、今は全く脈無しだね。どうなるかね」

「心は見えないからね。皆が幸せになる道があるといいね」

「うん」

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