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79.街でお土産

 お土産なんて、初めて買ったし、自分が旅行に行けるなんて考えたことは無かった。しかも、お土産を渡せる相手がいることも嬉しい。


「ポンド!」

「マルク、どうしたの?」


 ポンドが珍しくフレーズの店にやって来たマルクを見て、驚いている。ニカが続けて問いかける。


「こんにちは。フレーズさんいる?」

「いるよ。呼んでくる?」

「お願い」

「おばあーちゃーん」

「なんだい。おや、揃って、どうしたんだい?」


 ひょっこりフレーズが顔を出す。テレーズが喜び勇んで話し出した。


「お祖母ちゃん、私、旅行に連れて行ってもらったの。それでね、お土産!」

「へえ。それは、それは。詳しく聞かせておくれ。あんたたちも、入りな。ポンド、店は、休憩中にしておきな」

「はい」


 店の中に入って話すことにした、フレーズ、テレーズ、ニカとは違い、軒先でマルクもポンドに旅行で見たこと、あったことを話して聞かせて、お土産を渡す。


「マルク、凄いね!」

「ああ、俺もそう思う。街から出ることになるとは思わなかった。まあ、最初から町は出てたけど。ポンドももう少したったら旅に出るんだろう?」

「そうだよね。うーん。旅行というか、仕入れで出かける感じだと思う」

「それでも、他の所に行くのに違いは無いだろ?」

「うん。楽しみ。それで、どうして旅行に行くことになったの?」

「ああー。それが、変なお面みたいなのを付けた大人だけどなんて言うか・・・、そう! あの子みたいに迷子になっている奴を送っていったような感じ。でも、解決したみたいで一緒に帰って来た!」

「?良く分かんないけど、解決して良かったね。って、迷子!!」


 マルクとポンドは迷子に慌てて駆け寄った。


「何処の子か分かるか?」

「多分、食堂の子」


 頭の上で交わされる会話といきなり動きを止められたアキと同じくらいの歳の子は、掴まれた腕を振る。


「離せよ!俺は冒険に出るんだ!」

「無理だろ」

「年齢制限あるよ」


 迷子の少年はマルクとポンドの冷静な突っ込みに涙が決壊寸前だ。


「お、おれできる、も・・・」


 話が一段落ついたのか、店から出てきた三人が軒先に座っている筈のマルクとポンドの姿を探す。


「あ、泣いちゃった」


 ニカの言葉と涙が零れたのは同時だった。

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