77.新たな
旅行から帰って次の朝、マルクが廊下で煤けた背中で佇むマロウに声を掛けた。マルクとマロウは一階で、二階にはケイとフランが部屋を貰っている。
「大丈夫か?」
「あ、ああ」
マロウは弟よりも更に年下の少年には、流石に愚痴は溢せなかった。家の問題が片付いてからの方が自分のことを考えていることにも驚くし、全くどうしていいか分からないことも驚愕だった。
「俺たちも通った道だから、頑張れよ!」
遥かに月日を重ねたような物言いのマルクに苦笑しつつ、マロウが口を開く。
「善処しよう」
「?ちょっとは元気でたか?」
「そうだな」
マロウの口から出る言葉は時々、難しいが表情が少し晴れやかになったような気がしたので大丈夫と判断してマルクが誘う。
「じゃぁ、朝飯食べて、弁当、作りに行こうぜ」
「そうしよう」
朝食を作ってくれている食卓はもう、皆が揃っていた。
「おはよう」の大合唱で賑やかな朝食が始まった。一段落するとヒイが今日の予定を話し出す。
「今日は、旅行から帰って来たばかりだから、お土産を渡す日にして、仕事はお休みにしようと思うんだけど、どうかな?」
「賛成!!」
ミハの即座の賛成で、反対は無く。各々お土産を渡す人毎に固まって移動ということになった。
「ニイちゃんはテレーズさん、ケイさん、マルクさん、フランさんと一緒に街を回って貰っていい?」
「勿論、フレーズさんとポンド君、キキラーティカさんとズウゾさんの所に行ってくるよ」
「お姉ちゃん、私もキキラーティカさんにお土産あるし、エルも一緒に行こう! アキちゃんもトオさんも街に行くよね?」
「行くー!」
「はい。いっしょに」
ミハがニカに付いて行くことを決め、エルディランドゥも異存はないと同意。アキとトオも付いて行く。
「サラナサさんはモーリンさんに渡しに行くよね?」
「いいの!」
「その予定だったから大丈夫だよ。マロウさんも一緒にお願いします」
「承知」
マロウに拒否は無い。という訳で、二手に分かれてお土産を配ることになった。冒険者ギルドのケインには仕事の日に渡す予定とケイが言い、準備が出来次第出発ということになった。




