69.自分を見る
「やっぱり、絵本かな」
「なにが?」
ヒイが呟いた言葉にミハから疑問が投げかけられる。
「モックさんの村で他にも何か作って貰えないかと思って」
「そうだね。サラナサとモーリンが喜ぶね。絵本かー。お姉ちゃん、紙っていうか和紙を作ってもらえば?」
「それはいいね。ジョンさんも炭焼きだけじゃぁ時間を持て余すって言っていたし、和紙だったら何を作るのがいいかな?」
「絵本は難しい?」
「和紙でも大丈夫だけど、木製の絵本にしてもいいかなって。折角だから和紙ならではの物を作れたらいいな」
「うーん。灯りとか?」
「魔法灯を覆って、中身を見ようとしたら壊れちゃうとか、どう?」
ニカも混ざって来た。
「それなら、魔法灯じゃなくて、電気回路系でもいいかも。サラナサさん、興味あるかな?」
「おお。いいねー。今度は細工師が仲間入りだね」
「本人に聞いてからね」
ミハが早速、立ち上がって伝えに行き。サラナサの鑑定士兼細工師の就任が決定した。
「サラナサさんは鑑定で何処まで見えているの?」
「どこまで?」
早速、サラナサのスキルの付け替えをしようとヒイが問い掛ける。
「私のスキルは見える?」
「見えない。なんで?」
「隠しているからね。隠していることは見える?」
「言われたから、見えるような・・・。いや、無理」
「サラナサさんも鑑定を続けていけば、見えるものも増えてくるよ」
「本当!?」
「うん。私にはサラナサさんの鑑定がそう見えるから、大丈夫。それと、これは私達家族以外には秘密なんだけどね」
一気に真剣な様子になったヒイにサラナサも畏まる。
「サラナサさんのスキルの付け替えができるの。それで、ミハちゃんから聞いた?」
「うん。細工師どう?って」
「どう?やってみる?やってみて何か違うなって感じたら、別の職業を試してみればいいから。気が進まないなら、」
「やる!」
ヒイの言葉尻にサラナサの即答が被る。
「サラナサさんは自分を鑑定してみて?」
「?うん」
「スキルは何が見える?」
「鑑定」
「鑑定だけ?」
「うん」
「サラナサさんは鑑定と探求があるよ」
「探求?」
「そう。知りたいって思いはそこから来てたんだね。これは、大事。だから、安全も考えて、鑑定、探求、細工、完全防御にするね」
「・・・探求。見えた!」
「良かった。他のも見える?」
「それは、まだ」
「色々なものを見ることも大事だけど、自分を見てみるのもいいかもね」
「うん。人、見てもいいの?」
「いいけど、見たことはサラナサさんだけの秘密。でも、危ないなとか、どうしたらいいか分からない時は、相談して。約束ね」
「分かった。危ない時と分からない時」
ヒイがサラナサに言葉が浸透するのを待ち、細工の説明はもう少し後にした。




