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63.鑑定

 商業ギルドが落ち着いたかと思ったら、まだまだやってきました。狙いは確実にはどこだろうか?午後の集団での書き方教室が始まろうとする時だった。冒険者ギルドのカウンターが混み合っている。お昼時に珍しいと思ったら、一人の少女を遠巻きに囲んでいる。


「あれー?あなたこないだ食堂のお姉さんに振られたでしょ。かわいそー。」


 意図的に棒読みなのか、何かを読み上げているのか、指摘された人の近くの虚空を見て発言していた。


 それをサッと見るなり、ヒイが声を潜める。


「ミハちゃん、アキちゃんとトオさん、クロ君を連れて二階に上がっておいて。ケイさんにも下に降りてこないように言っておいて。エルディランドゥさんはすみません。ちょっと、ここにいて下さい」


 ミハは静かに頷き、そっと四人で二階に上がる。


「俺は何をすれば?」

「ステータスを隠している部分が無いのがエルディランドゥさんだけだったので、ここにいてくれるだけで有り難いです。あの人は商業ギルドから鑑定を使えるからここに寄越されたみたいで、私たちに対して秘密を握ってどうにか言う事をきかせたいみたいで」

「大変な人物が来たな。それにしては、あまり心配していないようだが?」

「色々隠していますが、彼女の力は暴き立てる程の力は無いようなので少し安心しました」


 エルディランドゥはまたもや規格外の力をさらりと見せるヒイに、平常心を保つので精一杯だ。


「こちらに来そうだな」

「あ。エルディランドゥさん、もう一人います。それが黒幕です」

「どいつだ?」


 ヒイがよく見たことを伝え、エルディランドゥは黒幕の確保に入る。


「年10才以上サバよんでいるおばさんいるけど、お兄さんはいいの?」

「え?」

「は?あんた、言っていいことと悪いことがあるでしょう!!人をオバサン呼ばわりなんて、失礼ね!!」


 年齢詐称と言われた女性が、分が悪いと思ったのか言い逃げする。そこに、ぽつりと少女が呟く。


「だって、本当のことだもん」


 少女が不貞腐れたように返す。その姿はどんどん若返っているように見える。


「本当のことだからって、何でも口にしたら、友達できないよ?」

「おばさん、誰?」

「まあ、誰でもいいんじゃない?それで、商業ギルドには本当のことを言わないのも、言われなくてもいいの?」

「!!」

「分かっているんでしょう?」

「なんにも知らないくせに、変なこと言わないで!!」

「でも、本当のことは言っていいんでしょう?怒るってことは本当のことでしょう?」


 ヒイが無邪気さを装い、少女を追い詰める。エルディランドゥが少女に指示を出していた黒幕を捕まえ、力を抑えてくれたお陰で、思った以上に幼い少女の姿が顕わになった。


「違う!」

「そう?友達、沢山できるといいねー」

「馬鹿にしないで!なんで、見えないの!!」


 今まで自分が言ってきたことをそのまま返され、怒りのあまりに突進してきた少女を抱き止める。


「はい。捕まえた」

「離して!!離れて!なんで!」

「はいはい。落ち着いて」

「なに、これ!元に戻って!!」

「よしよし。話は別室で聞こうね。皆さん、お騒がせしましたー。貴重な力を持っている子なので、冒険者ギルドで保護してもらえるように掛け合ってみますから」


 ヒイが周りに穏やかに声を掛けつつ、すっかり小さくなってしまった少女の口を閉じさせつつ、カウンターから出掛かっているケインに視線を送る。

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