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6.四人で説明を聞きます

「ごめんなさーい」


 ミハが受付の気弱そうな細身の男性に謝り、冒険者ギルドの説明が最初から始まった。


「いえ。最初からということで、ご説明させて頂きます。冒険者ギルドにご登録でよろしいですか?」

「「はい」」


 ニカとミハの返事と、まだ考え中のヒイは聞いていますという意思表示のみだ。


「ええっと、冒険者ギルドに登録には登録料がかかります。十級の方のみ登録料は安くなっています」

「はい。質問。十級だけなんで?」


 ミハのもっともな疑問に、ヒイとニカも頷く。ミハに対しての二度目で「その疑問は・・・」というのは、誰も口にしない。


「十級は住民登録の変わりにされる方、限定です。冒険者として活動しない方です。冒険者の特典が受けられない代わりに、通行料がかからなくなります。あまり無いですが、街に住んでいなくて、頻繁に街に来られる方も登録されたりしますよ。そちらの小さな方のように」

「ああ。なるほど。住んでいないって、どうして?ああ、通行料をミハが叫んでましたね」

「ははは。そうですね」

「珍しいですか?」

「なかなかに。職業柄、『街の外じゃないと』という方もいらっしゃいますが、ご家族は街の中の方が多いので」


 意外と、と言っては失礼だがかなり目端の効く人物のようで、こちらが聞かれたくないと思っていることは聞かず、さくさく説明が進む。


「久々に冒険者の手引きをお渡ししました」

「お姉ちゃん読み込む派だから」

「情報の宝庫でしょ」

「任せた」


 まず、四人全員で冒険者ギルドに登録することにした。とりあえず、アキはともかくヒイも十級での登録で様子見だ。最後に登録料を支払い、仮の冒険者身分証明書を受け取り、冒険者ギルドを後にした。これで街への出入りは、一年間程は自由という事だった。


「どうする?帰る?」

「いや、お姉ちゃん、それは無いでしょう」

「流石に、ミハに賛成」

「やっぱり。うーん。アキちゃんも心配だから、私は先に帰ろうかな」

「そう?」

「アキちゃんは、大丈夫なんだよね?」

「うん。大丈夫だけど、背負っているからさー。前抱っこにして来れば良かったかな。なんか、顔見ないと心配で」

「背負っているからね」

「お姉ちゃんが安心するなら、別行動でもいいんじゃない?」

「ああ、言っておいてなんだけど、ごめん。最初は一緒に回るよ。色々、気になるし。お金とか、帰り道の状態とか。その代わり、アキちゃん二人ともしっかり見ておいてね」

「はーい」

「了解。でも、普通に何もなく歩いては来れないみたいだね」


 森の中に建てた家から街まで特に何もなく四人でのんびり歩いてきたのだ。「長閑だね」とか、「これなら冒険者っていう職業無いかもー」とか心配しながら。


「街の外に住むのはかなり特殊みたいだし。そうじゃなかったら街壁なんてないよね」

「通行料をとるにしても、もう少し壁は簡素でも良さそうだしね」

「ふーん。あ、武器屋!防具屋もあるよ!!」


 ミハは自分の興味の赴くままに、今まで目にしたことが無いような店に飛び込んだ。


「今日は、買わないよー」

「聞こえてないんじゃない?」

「まあ、仕方がないか。ニイちゃんも見たいんでしょう?入ろう」

「うん。あ、ヒイちゃんも『ニイちゃん』にするの?」

「ニカちゃんの方がいい?」

「どっちでもいいよ」

「じゃあ、慣れてる方で」


 ニカは本当にどちらでも良かったようで、ミハと一緒で店の前まで走って行って振り返る。


「ヒイちゃん、早くー」

「はいはい」

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