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55.一方

 キキラーティカの元に訪れていたニカとテレーズは補助魔法で視力を強化し、ひたすら彼女の動きを追っていた。


「これで、現役の四割かー」

「凄く速いですね」


 ニカの言葉に頷くテレーズ。場所が狭く、現役の時から力が落ちていると言っていたキキラーティカに教えを乞うていた。まず外から見えなくした庭で動きを見せると言った後は、補助魔法を使わないとどこにいるのか分からない程だった。


「あたしが教えられるのはこれくらいだよ」

「いえ、充分です」

「見せるだけになっちまうがね」

「動き方と、体の使い方、魔法での補助。凄く勉強になります。ありがとうございます」

「あんたも目がいいね。最初でそこまで見えたのかい」


 キキラーティカが軽く驚く。スキルの付け替えを慌てて行って、何とか付いていけたニカが言葉を濁す。そんなニカが付けかえたスキルが二刀流、攻撃反射はそのままに分析と身体強化で視力の強化も図った上で、テレーズの補助魔法で更に補強した。テレーズのスキルは補助魔法、身体強化、、魔力強化、録画だ。何度も見せて貰うのは難しいため、テレーズが見たものを他の人に見せることができる録画とニカが再現スキルをつけ、家で勉強会をしようと画策していた。


「ええ、まあ・・・」

「追及はしないけどね。続けるよ」

「お願いします」


 キキラーティカの続きは二刀流を最大限に活かす、左右違う動きや、属性や違うものが飛び出したりした。


「ええー・・・。これは利き手じゃない方は要練習だ」

「混乱しそうです」


 片方の刃からは水が氷となり、もう片方からは多分、空気の球がどんどん打ち出されているようで、振るった先で鈍い音がしている。


「手品の練習から始めようかな」


 若干遠い目でニカが動き終わったキキラーティカを迎える。


「なんだい?大道芸でもやるのかい?」

「それもありかなーと。左右で全く違う動きを安全に練習するにはいいかなって」

「まあね。失敗すると大惨事だから気を付けな」


 キキラーティカが静かに告げる。


「はい。今日は素晴らしいものを見せて頂き有難うございます」

「ありがとうございます。お昼はご一緒しましょう」


 テレーズが持ってきた三つのお弁当を出す。


「あんたたちは本当にまめだね」

「姉の性分で」


 三人で和やかにお昼を食べて、キキラーティカからの二刀流の伝授の日は過ぎていった。

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