48.鍛冶を
「!!おい。何の冗談だ!治ったぞ!!」
「だから、言っただろう。治療費を請求させてもらうよ!」
痛めていた腕と肩を回して確かめながらズウザが怒鳴り、キキラーティカも喧嘩腰で返す。
「婆の取り立てなんて、怖くて受けられるか!」
「なら、もう一度痛めつけるまでさ!」
「はいはい。仲の良さは伝わりましたので、請求は鍛冶を教わりたい子がいるので、お試で教えて貰えませんか?」
ニカがさっと二人の間に入る。抱き上げられていたアキはミハの足元へ退避済みだ。
「ああ?素人なんぞに教えられるか!」
「治療費、踏み倒されますか?」
ニカが冷静に返す。
「うっ」
「みっともないね。さっさと払っちまったらいいだろ」
「・・・鍛冶場がねえ」
「ズウザ、ハンマーは?」
キキラーティカが何とか問い掛ける。まさか収入のほとんどを注ぎ込んだ最高の鍛冶場だと言って憚らなかった代物が、手から離れていたとは思わなかった。
「それだけはな・・・」
「そうかい。なら、あんたたちの姉さんに聞いてみな、草臥れたハンマー付きの爺だけでいいかって?」
「「お姉ちゃんに作ってもらう?」」
ミハとアキが揃って首を傾げる。
「・・・あんたたちの姉さんはどうなっているんだい!?」
キキラーティカが信じられないことを聞いたかのように答えている。
「いやー。ははは。姉なんで。聞いてみます。けど、教えて下さるだけでも有り難いですよ。近いうちに姉も連れてきますので、どんな鍛冶場がいいか考えておいて下さい」
「本気か?」
流石にズウゾも問い掛ける。
「大丈夫だと思いますよ。ちょっとお時間は頂くかもしれませんが」
「「・・・」」
疑わしそうだがキキラーティカとズウゾもとりあえずは頷いた。
また来ると告げてズウザの家を後にし、キキラーティカを送り、家まで帰ってくると、アキが楽しそうにヒイに話して聞かせる。
「あのね。お婆ちゃん、元気になってね。しゅたたたって走って、扉、どかんとしたの。お爺ちゃんも、腕ぶんぶんしてた。鍛冶?教えてくれるけど、鍛冶場?っていうのが無いんだって。お姉ちゃん作れる?」
「うん。多分、大丈夫だよ」
「良かった。良かったね?」
ヒイに向かって胸を撫で下ろし、ニカとミハに朗報を告げる。




