44.力を
ケイも新しいスキルを試すと言って、外へ出掛けて行った。入れ違いに子供達をエルディランドゥに任せたミハと、テレーズを休ませてきたニカが入って来た。今日は休みの日としてあるので皆、家やその周りにいた。
トオとアキは台所でおやつを作っているらしく、甘い香りもしてきている。
クロは安定のヒイの膝の上だ。スキル敏捷、察知、咆哮、隠匿の隠匿の部分を変化に変えて、子狼化してヒイの側にいる方が安心できるらしい。
「ニイちゃん、ミハちゃんもフランさんの戦い方には気を付けてあげてね。それとミハちゃんはエルディランドゥさんにも伝えておいてくれる?」
「何を気を付ければいいの?」
ミハの問い掛けにヒイは考え口を開いた。
「なるべくなら魔法を併用した戦い方をするように。本当に危ない時は純粋に拳一つの方が強いから、覚えておいて」
「わー。それは凄いね」
ミハの感嘆の声に続き、ニカの冷静な問いが続く。
「魔法相手でも?」
「魔法も粉砕というか散らせるね。身体能力が万能に近いから」
「うわー。最強だね」
「特殊なスキルなの?」
「神人の先祖返りで力の使い方さえ気を付ければ、私も隠したし大丈夫だと思う」
「かみびと?」
「崇められそうなの?」
言葉に神がついていることに二人が反応する。
「こちらの宗教は実際の神様を崇めているから、そういうのは無いみたい。危険なのは力を欲している人たち」
「分かった。魔法はいいの?」
「万能なのは神力なの。神力は使うと派手だから気をけて。今は付けてないから大丈夫だとは思うけど・・・。一方の魔法は純粋な魔法使いは難しいかなという程度の腕前になると思う」
魔法と併用する方が目立ちにくいことをしっかり伝える。神人の最初が本当に神だったのか、神のような力を持つ人だったのか、神と人が交流した結果だったのかは分からなくなってしまっている。また大きな力を持つものは目立ち、周りに注意を促すために目立たせることも考えていたということもあったようだ。
「ビカビカとかピカピカで後光が差す感じ?」
「そんなに凄いの」
「かなり遠くからでも見えるみたいだよ」
フランの戦い方には気を付けるということで一致すると、テレーズのことに話が移った。
「ニイちゃん。テレーズさん困らせすぎたの?」
「引っ越しを張り切り過ぎてたから、お昼寝をとることにしたんだ」
「大丈夫なの?」
「夕方には合流できるよ」
ニカが答えて、ほっと胸をなでおろすと、おやつの時間になっていた。外から戻って来た新しいスキルを試していた四人は、なかなか充実していたようで表情が満足げだった。全員でお菓子を売るのもいいかもと相談しながら、スキルの構成や戦い方、組み合わせ等も話し合い。夕食の準備をしながらも入れ代わり立ち代わり盛り上がった。




