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41.見直します

「騎士以外かー。職業のスキルって難しいね」

「何が?」

「実際の職業との兼ね合いが」


 早速エルディランドゥのスキルについて相談した二人に返って来たのは、ヒイの悩みだった。


「相乗効果だけじゃないの? マイナスもある?」


 ニカが鋭い洞察を口にする。


「両方あるよ。剣で戦うのは継続でいいんだよね?」

「ああ。戦法というか戦略の幅を広げたいんだ」


 エルディランドゥがしっかり頷く。


「順番に試してみる?」


 ヒイの問い掛けにミハが興味深げに聞く。


「そんなにいっぱいあるの?」

「剣士、剣闘士、聖剣士、騎士、聖騎士、突剣士は剣の種類が変わる場合もあるみたい」

「細い大きい針みたいな?」

「そう。曲剣士も剣の種類が違うね。防御系もいる?」

「いや、そこまでは難しそうだ」


 エルディランドゥは器用貧乏が付いていたと言われたが、そこまで自分自身を器用だと思ったことは無いので、経験したことが無い新しい事にはまだ手を出さない事にした。


「じゃあ、剣士からいってみる?」

「そうしよう」


 エルディランドゥの願う声でヒイが変える。ミハが興味津々で問い掛ける。


「何か変わった?」

「変わった、か?」


 エルディランドゥ自身の自覚症状というか、分かるような能力の上昇は無いようだ。


「ふむ。一応、今まで挙げたのを順番に変えてみようか。何かエルディランドゥさんの感覚が変わるものがあるかもしれないし。それが向いているのかいないのかは分からないけど・・・」

「いいね」

「物は試しだね」

「試してみよう」


 ニカとミハがどんどん試そうと頷き、エルディランドゥが同意した様子をみて、ヒイが順番に変えていく。


「!」

「何か掴めた?」


 エルディランドゥの変化にミハが迅速に反応する。


「ああ。力が湧いてくるような、何かをやってみたい気がする」

「やったね。今のスキルはなに?」

「へー。如実に現れるね」


 ニカが何かが変わったように見えるエルディランドゥの様子に感心し、ヒイが告げる。


「聖剣士だね」

「エル。凄い!!」


 ミハがエルディランドゥに似合いの職業に歓声をあげる。


「エルディランドゥさんは手当とか怪我や体調不良もきっちり見ているから、納得だね」


 ニカの実感が籠った言葉とヒイの疑問を含んだ声が続く。


「本当に。騎士だと馬が基本だから、最近はしっくりこなかったのかな」

「馬が関係あるの?」


 ミハの疑問は尤もだ。


「一人だけ馬に乗っていても、一緒に行動し辛いでしょう?騎士は団体行動が基本だし」

「そっか」


 優しく思いやりのあるエルディランドゥのことだから、全員を馬に乗せたい気持ちはあるが、馬だってそんなに乗れる訳ではない。馬車は騎乗状態で力を発揮しやすい騎士では難しい。


「俺が、聖剣士・・・」

「練習は必要だから、無理はしないようにね。ミハちゃん魔法は教えてあげてね」

「任せておいて!」

「ミハ。頼む」


 エルディランドゥは周りが納得している自分の特性に驚いていた。確かに、怪我や体調不良は良くないと思っていたが、それが聖魔法に結びつくとは思わなかったのだ。光明が見えた。


「じゃあ、エルディランドゥさんのスキルは聖剣士、防御強固、心願成就、状態異常無効でいいかな?」

「いいともー!」


 ミハが往年の「いい」という返事をして、エルディランドゥのスキルは暫くこの四つで過ごすことになった。

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