4.四人で町に行きました
「街だね」
「うん。もっと小さいと思ってた」
「栄えているね」
ミハの言葉に続けてニカ、ヒイが続く。
「門番いるねー」
「これ、お金いるやつ?」
「そうじゃない?交渉宜しくね」
「はいよ」
朝、起きて、アキはやっぱりまだ回復中なのか起きなかったので、ヒイが背負い。ヒイだけが、スキルを付け替えて街まで来た。昨日は家を建てるに当たり、金運上昇の代わりに建築を付け、今日は地図を付けている。家内安全は勿論のこと、鑑定も外せないのでヒイは泣く泣く金運上昇を外している。
「四人しかいないのに、しかも森の中で金運上昇って・・・。本当に、お金好きだね」
「好きー・・・。分かってる。無駄だと思っていてもやらなきゃいけないことはあるんだよ。ニカちゃん」
「それ、今じゃないでしょ」
金運上昇を外す度に、そういうやりとりがあったとかなかったとか。ニカはアキに幸運を付けているので、それで金運も兼ねていると思えば良いんじゃないかと思っているが、言わないでいる。
「ミハちゃん。まだ、待って」
「えー。まだー」
「ミハ、いきなり街に入るのは危険だよって、話し合ったよね」
ニカがミハに言い聞かせている間に、ヒイがざっと見える範囲を鑑定していく。少し遠くても鑑定できるので、助かった。
「気を付けるのは種族と特性だね。スキルの付け替えはスキルとしてはあるけど、スキル無しではできないみたい。隠しておくね。」
「ああ、特性に書かれてた」
「特技みたいなもんでしょ?」
良くできましたと、ミハの頭をニカが撫でている間に種族を。
「あれ?種族って変えられないんだ。うーん。あ、これも隠蔽がある。ニカちゃんとアキちゃんのと、どうせならみんなの隠しとくね」
「それがいいかも。きょうだいで種族が違うかどうか分からないもんね」
「確かにね。ミハにしては考えてる。で、魔力とか他からの鑑定はどうなの?」
ミハの意外と考えている言葉に、ニカが感心しながら突っ込む。
「してはって!!」
勿論、ミハは反論する。
「こらこら。他の人からの鑑定は怖いよね。隠せる所は全部隠しておこうかな」
「隠し過ぎで怪しまれたら、美人姉妹が心配でとか言っとこうか」
「嘘も方便だしね」
ヒイが笑って答えるが、ミハは美人を強調したいらしい。
「美人は押していこーよー」
「さ、お待ちどうさま、行こうか」
「やったー」
一目散に走っていったミハにヒイがぽつりとつぶやく。
「あ、お金」