34.進路
ポンドが正式にフレーズの雑貨店へ養子に入ることになり、話題は将来のこととなった。
「私、戦うの!」
「フランは冒険者になりたいの?」
「うーん。分かんないけど、動きたいの」
「フランは体を動かす仕事がしたいと」
誰もが、頷く。フランはいつだって元気いっぱいで、体力が有り余っているように見える。どうやら適正もそういった方向のようだ。
「俺は・・・」
言い淀んだのはマルクだ。責任感の強い彼のこと、これまでの仕事を投げ出せないのだろう。
「お弁当の仕事は卒業しても大丈夫だよ。何かやってみたいことはあるの?」
ヒイの言葉にマルクが決心したように言う。
「俺、魔法使ってみたい。使えるかどうか分かんねぇけど」
「魔法は多分、使えると思うけど・・・。マルクが思い描くほど使えるかどうかは分からないかな」
「使えるのか!使えるだけでもいいんだ!!」
「そう?魔法を使う仕事につけるかどうかは未知数だよ」
「それでもいい」
決意に満ちた顔のマルクを見て、ヒイがミハに声を掛ける。
「ミハちゃん。教えてあげて」
「はーい。マルク、色々やってみよう!」
「うん」
最後はケイだ。ニカが思わず止める程に思い詰めていた。
「ケイ。焦んなくていいんだよ。ゆっくり悩んで決めていいんだ。時間は沢山あるんだし」
「ポンドが道を決めるのは早かったからな」
エルディランドゥも焦りは禁物だと言う。
「大まかにやりたいことは決めても、まだ皆、家の子なんだから独立はまだ先だよ。自分の稼ぎで食べられるようになるまでは、必ずここに帰ってくること。いい?」
ヒイの言葉にケイ、マルク、フランがしっかり頷いた。ヒイがそれを確認し続ける。
「フランはニイちゃんに体づくりを教わること」
「はい!」
フランのしっかりしたいい返事だった。
「ケイさんは、お弁当作りは朝だけで、私の教室の手伝いをしてもらいます。マルクとフランは一日毎にお弁当作りを交代ね。トオさん、お弁当作りで頼りきりになっちゃいますが、よろしくお願いします。アキちゃんもお弁当作りをお願いね」
「はい。まかせてください」
「うん」
「なあ、あたしが言うのもなんだけど・・・。トオはそれでいいのか?やりたいことあるなら、あたしも一日交代でもいいぞ」
トオを見つめていたケイが思わず口にする。
「まあ、ケイさん。ありがとうございます。わたし、おべんとうづくりがすきなので、まいにちでもいいのです」
「そうなのか?それならいいけど・・・」
「ケイさん。ありがとう。本当に、色々見てくれているよね」
「や、別に」
ケイが照れたところで、全員の大体の方向性が決まった。




