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3.四人で家を建てた(一人寝てるけど)

「建ったね」

「ログハウスー」

「ふー」


 頑張った感を出して、額の汗をわざとらしく拭うふりをしているのは一冬ことヒイだ。


「スキル凄いね」

「本当にね」

「入っていい?いい?」

「どうぞ」


 ヒイが許可を出したかどうかで、三春改めミハが新たに建ったログハウスに突入していった。ニカと名乗ることにした二夏は、自分達がこの世界で立っていたすぐ側の土地に建った家に驚いていた。土地の所有者はいなかったので、丁度良いとばかりに建てたのだ。だが、驚くことは後でもできると、まだ寝ている秋四のアキを寝かせに、ミハに続いて家に入る。

 ヒイは家に入っても問題ないことを外から見守り、勿論、何かあったらすぐになんとかできるスキルを付けてだ。問題なさそうなので、最後に家の扉を潜った。


「どう?」

「問題なさそう」

「増改築は結構好きにできるみたいだから」

「じゃあ。暫くは皆で一緒に寝ておこう。アキちゃんは心配になるくらい、全然起きないし」

「うん。アキちゃん状態が秋眠しゅんみんになっているんだよね」

「なにそれ?」

「いや、ニイちゃん言ってたでしょう。神様?が私とアキちゃんの損傷が激しいって」

「ああ。それで」

「お姉ちゃん、露天風呂欲しい!」

「また、ミハは我儘を」


 新しくできた家の探検をして、戻ってきたミハの発言にニカは呆れているが、ヒイは感心していた。ミハはどこででも、自分の欲求に忠実に、変に我慢や遠慮はしないのだ。それに、あるときっとみんなも寛げる。


「まあ、生活の質の向上にはいいんじゃない?ミハちゃんどこに作るつもりなの?」

「こっちー。普通のお風呂の奥とかどう?」


 とりあえず、二階建ての丸太を活かしたログハウス風の家で寝る場所は確保した。勿論、一人一部屋確保で、LDKと水回りも完備。水も電気なのか魔力なのかで動く設備系も、問題なし。次は食べ物だ。家は魔力のゴリ押しで作れたので、食物もお金が安定して稼げるまでは、それで凌ぐつもりだ。それに貨幣制度が無かったら、物々交換に磨きをかけるし、錬金術もスキルにはあったのだ。魔力や石、木も変換比率はあるようだが、望むものに変えられる。色々、心強い。


「これで生活の目処は立ちました。次はこの世界の常識を手に入れます」

「普通にオムライス食べられるんだね」

「美味しいよ」


 ヒイが作ったオムライスを、ミハは今まで食べていた味と全く変わらない事に驚き、ニカが褒める。


「二人は職業としてあるなら、冒険者として稼ぐんだよね?」

「そうだね。明日はそこから出たとこ勝負だね」

「アキちゃんは食べなくても大丈夫なの?」

「冬眠みたいな状態だから大丈夫みたい」


 家内安全が掛かっているので、一人でお留守番をしてもらっていても大丈夫だが、心配なのでヒイがアキを背負い、ニカとミハと四人で町に行くことで決定した。この閉じた空間で、四人で生活し続けても問題はないが、折角だから異世界を満喫しようということになったのだ。

 ヒイは、自分は幾ら引き籠っても問題ないが、アキの健やかな成長と生育に問題が出ると、強固に主張し、二人も特に異論はなかった。魔法を試してみたい気持ちが多分にあったので。

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