表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
172/200

172.性別

「ヤッくん」

「なに?」

「ヤッくん」


 両方からアキとヨツに引っ張られてやって来たヤグロは恥ずかしがったり、照れたり邪険にしそうなお年頃にも関わらず、何時だって二人に優しく穏やかだ。


「ヤグロ君、二人がごめんね」

「「ニイちゃん」」

「いえ」


 食事は静かに食べることが出来た方が良いだろうと、ニカが食事を早々に終えた二人を引き取る。


「フウちゃんは兄ちゃんになったの?」

「そうだよ」

「男?」

「どっちにもなれるよ」

「凄い。どうやるの?」

「秘密」

「ええー。アキは見た?」

「ううん。見てないけど、アキも男になった!」


 アキが胸を張る。イツとムウが食事を放り出し、駆け寄って来た。


「「アキちゃん!」」

「なにー?」

「男って!?」


 何故かミハも混じっている。


「ミハ、気が付いてなかったの・・・。トオさんと差が出て来てたでしょう? それに、ヨッちゃんとも瓜二つとは言えなくなってきてるよ」

「本当だー!」

「ええ? アキちゃん、どうやったの?」


 イツがおろおろする中、ムウがすっとしゃがみ込み、アキと目線を合わせる。


「アキちゃんは男性になりたかったの?」

「うん。トオと結婚したいもん」


 あっけらかんと告げられる。理由が分かり、ヒイが他の情報も出していく。


「そうだったの。同性でも結婚できるよ」

「うーん。ニイちゃんみたいに格好良くなりたい! あと、子供が欲しかったら男女だって冒険者の人たちが言ってたよ」

「そうだね。人はそうかも。アキちゃんは人じゃないから、どっちでも大丈夫じゃない?」

「そう?」

「はい」


 トオがアキの問い掛けに答える。


「でも、このままが良いの! ヨツと一緒になると、弾かれちゃう!!」

「それはー大変だわ。このままーがいいわね」

「そうでしょ!」


 ルグヤが話に加わり、どうやら知らぬ所でアキかヨツがこの世界から弾かれてしまう状況だったらしい。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=943722646&size=88
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ