表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
138/200

138.大丈夫

「それで、何があるの?」


 ミハはクロを甘やかすヒイを気にせず、切り込む。


「行ってみようか」

「危険はないのだろうか?」


 エルディランドゥはしっかり心配する。顔を見合わせたヒイとトオは、揃って頷く。


「大丈夫だと思う」

「だいじょうぶでしょう」


 アキが不思議そうに二人を見る。ミハがすかさず突っ込む。


「なんか、逆に大丈夫じゃなさそうだよ」

「見れば分かるよ。大丈夫。行ってみよう。この先、あっ」


 ミハの姿が一気に小さくなる。慌てて全員で追う。


「ミハちゃん、ずるいー」

「アキ」


 トオがミハの後を追って走る、アキの腕を掴んで止める。


「ミハっ」


 エルディランドゥも同様にミハの前に立ち塞がった。


「エル?」

「行き止まりだ」

「え? 危なっ」


 ミハがヒイの言葉を信じて突っ走った結果、ダンジョンの壁に激突する所だった。


「あれ?」


 アキも不思議そうに壁を触る。


「行けそうだったよね? アキちゃん」

「うん。真っ直ぐだった」


 追いついたヒイが、二人が直進できると思っていた道の種明かしをする。


「幻術だよ」

「わー。でも、この先なんだよね? 音が聞こえるの」

「そうだよ。さて、問題です。仕掛けはどこにあるでしょうか?」

「ヒントは?」

「ヒントは音」

「音―?」


 ヒイをミハとアキが質問攻めにする。


「音は何で出来ていますか?」

「確か、振動」


 ミハが記憶を振り絞る。


「正解です」

「揺らす!」

「惜しい、アキちゃん。他に振動を伝える行為は?」

「・・・」


 考え込むアキに更に助け舟を出す。


「トイレは?」

「入ってまーす」

「ミハちゃん・・・」


 巫山戯ているようだが、至極真面目な様子のミハに惑わされずに、アキが答える。


「ノック!」

「当たり」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=943722646&size=88
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ