表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
137/200

137.中へ

 ダンジョンに行く前に色々あったが、とりあえず両親のことは時期が来たらという事になった。後回しとも言う。準備が必要で、アキが冒険に行きたい所から始まったので、それを叶えてからという事になった。


 ダンジョンの中で、しょんぼりとしているのは、アキとミハだ。入った時はご機嫌だった。


「ミハちゃん。獲物ないねー」

「そうだねー。クロくん張り切っちゃったよね・・・」


 活躍しすぎのクロにヒイが声を掛ける。


「クロ君。とっても格好良かったよ。ミハちゃんとアキちゃんにも活躍の場をくれる?」

「クー」


 ぎゅっとクロを抱きしめたヒイが二人に目配せする。


「行くよ、アキちゃん!」

「トオも」

「はい」


 エルディランドゥが警戒気味に続く。他に冒険者がいない且つ、獲物の危険度が低く、集団で襲い掛かってこない場所の選定に忙しい。ダンジョンは余程の事が無いと崩れることは無いが、出入り口が一つしかないような小さい空間は要注意だ。


「火は禁止!」


 ヒイの声が飛ぶ。魔法で出した火だけであれば大丈夫だが、燃焼すると危険だ。酸素が消費され、酸欠になる。そのための注意だった。


「だって。アキちゃん。火、以外の札は持ってる?」

「うん。水と、土と風」

「うーん。風は飛び散るから、水か土にしない?」

「いいよ」


 二人は額を突き合わせて相談中だ。どれがお金になる等、真剣だ。エルディランドゥは微笑ましく見ながらも、周囲を確認中している。


「トオ?」

「トオさん?」


 アキとヒイが同時に問い掛ける。


「なにかきこえたようなきがして」

「え? 今も、聞こえる?」


 トオも含めて耳を澄ます。クロの耳がピクピクしている所を見ると、どうやらクロには聞こえているようだ。


「クロ君」


 ヒイの問い掛けに答えるように、久しぶりにクロが人型を取る。


「危険は無い」

「くろ」

「何? 危険は無いけど、何か意見がぶつかっている感じ?」


 ミハがクロを諫めるトオを見て即座に言う。


「ほご」

「不要だ」

「お姉ちゃん、音も鑑定できないの?」


 ミハが問い、アキはクロとトオの発言に視線を行ったり来たりさせている。


「やってみようか。うーん。クロ君。心配しないで。保護するだけだよ。モーリンの所に行く方が良いみたい」


 クロは直ぐに子狼に戻ると、ヒイに甘える。それを眇めた目で見るトオにもお構いなしだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=943722646&size=88
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ