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134.叶えない

「冒険。冒険」

「アキちゃん。落ち着いて。トオさん、今日はよろしくお願いします」

「はい」

「アキちゃん、札を飛ばしてみようよ!」

「いいね。いっぱい持って来たよ」

「二人とも、まだ仕舞っておいて。エルディランドゥさん、準備は良いですか?」

「大丈夫だ」


 今日はダンジョンに着く前からてんやわんやです。ヒイは連日のダンジョンですが、深く潜らなければ今の力量なら大丈夫と判断し、アキとトオを連れて来た。勿論、ヒイに抱かれたクロもいます。精霊へのお願いなってしまうことについては、事前にトオに確認済みだ。



「トオさーん。精霊のお願いって前倒し出来る?」

「まえだおしですか?」

「ミハちゃん。順を追って説明しないと」


 今では双子に間違われることが少なくなったトオとアキが並んで料理をしている所へ、ミハが飛び込んだ。ヒイが慌てて追う。


「そっか。アキちゃん、ダンジョン行ってみたいって言ってたでしょう?」

「うん。行ける?」

「トオさんに確認してみて、問題無さそうだったらね」


 ミハの言葉に前のめりになるアキを抑えつつ、ヒイがトオに尋ねる。


「ダンジョンで問題になるのはアキちゃんの言葉が予期せぬ方向で叶ってしまう事だと思うんです。それで精霊さん達はアキちゃんの願いを叶えたくて仕方が無いと分かったので、交換条件を出そうと」

「こうかんじょうけんですか?」


 トオはヒイ達が精霊に害をなすような条件を出すはずは無いと理解しているので、のんびり聞き返す。


「はい。精霊さん達には願い事に大小は無いですよね?」

「ねがいごとをかなえるちからはいっしょなので」

「そうなの?」


 ミハが驚く。


「そうらしいよ。そこで沢山の願い事を精霊さん達が満足するまでしてもらい、ダンジョンにいる間は願い事を叶えないことをお願いして貰おうかと」

「まあ。ねがいごとをかなえないねがい。おもしろいですね」

「お姉ちゃん、凄い」

「トオ、それで大丈夫?」

「うまくいくようなきがします。おねがいしてみないとわかりませんが・・・」

「やってみようよ。でもさ、その前の沢山の願い事って、どうするの?」

「そうだねー。七夕作戦やってみる?」


 ヒイが少し考え、悪戯を思いついたように口にした。


「たなばた?」

「皆にお願い事を書いて貰って、燃やすの!」


 アキがざっくりした説明をして、ミハが盛り上がる。


「お姉ちゃん、いいね。色々な人に書いて貰おうよ」

「トオさん。私達の世界の行事です。願掛けのようなものでしょうか。燃やすのは私達が考える神が天、上にいると考えられているからで、燃やした煙が昇ることからだったと思います」

「そうでしたか」

「名前も書いて貰う?」


 少し迷いを見せるミハが聞く。


「そこは任意だね。短冊は選ばせて貰うから、どちらでも」

「成程ね。サラナサ、大変だー」


 部屋で魔法陣の勉強をしていたサラナサがくしゃみをしたとか、しないとか。

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