131.要素
もう一つの本題は職業だ。
「ぱんぱかぱーん!! さ、さっ。お姉ちゃん、どうぞ!」
「え? ミハちゃんが視るんじゃないの?」
「付け替え、ちょっと面倒で・・・。お姉ちゃんが視るのが一番だよ。色々分かるし」
発表すると思いきや、発表させる様子のミハにヒイは呆れながらも少しだけ中空を睨む。
「マロウさんとサラナサさんに陰陽師の職業が付いているよ」
「! 格好、関係無いのかよ! 俺の着損じゃないか!!」
「まあ、まあ。お揃いだし良いじゃん」
「良くない!」
今にも脱ぎだしそうなケイをからかうミハには取り合わず、ヒイが解説を続ける。
「ケイさんが言う通り、外見は今回の職業の必須要素では無いみたいだね。後は何だろう? ミハちゃんにも出るかと思ったんだけど・・・」
「書道的なこと、あんまりしっかりやってなかったからじゃない?」
「そうなの、ミハ?」
「うん。私、札を書いていないしね」
「確かにね」
ニカとミハのやり取りに、ヒイがもう一つの要素を推測する。
「後は陰陽師への理解かな?」
「理解?」
「ミハちゃん、結構、マロウさんに布教してたでしょ」
「したした。是非ともびしっとやって欲しくて、力、入れた!」
「ケイさんには出なかったのはそこかなと。書くことに集中していたでしょう?」
「・・・してたな」
「サラナサさんは知識を広げている最中だから、結構、見たり、聞いたりしたと思うの」
「したよ」
「・・・それかー・・・」
がっくりきているケイにミハが軽く言う。
「ケイも、知ったら良いんじゃない? それで職業が出たら大体の要素は固まるよね」
「そうだね。ケイさん、もう少し協力してくれる?」
「・・・ここまで来たらな」
開き直ったケイにわくわくしているミハをぶつける。
「じゃあ、マロウさん、ケイさんに、ミハちゃんが知っていること伝えてね」
「ミハから!」
「私もか?」
「二人とも、早くー! あ、エルも一緒にね」
エルディランドゥは心得ているとばかりに三人に合流した。