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119.デザイン

 少なからず皆、誰もが声を漏らし靴の為の型を取った。全員の型が揃い靴を作ろうと考えたが、ヒイはふとニカが訴えていた機能性以外の部分に頭を悩ませていた。


「お洒落・・・。絵というかデザインを頼むとしたらカールさんかな? だよね、サラナサさん?」

「え? ええ。うん。そうだと思う」


 通りがかりに気になっている人のことでいきなり話題を振られ、挙動不審になったサラナサを気にすることなく、ヒイが相談していく。


「可愛い靴とか、格好良い靴とか言ったら、絵を描いてくれるかな?」

「うーん。多分。でも、可愛いとか、格好いい靴とかってどんなの?」

「そっか。サラナサさんにとって靴は靴でしかない?」


 サラナサはそれ以外に何があるんだろうと言う疑問顔だ。そこで、ヒイがニカを呼ぶ。


「ニイちゃーん」

「なに?」

「ニイちゃんが考える素敵な靴ってどんなの?」

「編み上げのブーツで色が洋服に合わせられればいいかな」

「それくらいでいいの?」


 ニカはヒイの多機能好きに応えて要望を追加する。


「丈夫だと嬉しいけど」

「安全靴みたいな?」


 サラナサがそこで疑問を口にする。


「安全靴?」

「足を衝撃から守るために鉄板とか仕込んである靴のことだね」

「そうだね。金属仕込まなくても似た感じに出来る? 金属入れると重くなるよね」

「確かにね。大丈夫だと思うよ。カールさんにデザインを考えて貰おうかと思って、サラナサさんに聞いていたんだけど・・・」

「デザイナー的な職業はまだ早そう?」


 ニカが的確に指摘する。


「共通認識が少ないし、靴をお洒落にするのは余裕のある人だね。冒険者は消耗品みたい」

「それは、あるね。変に目立って靴を盗られても嫌だしね」

「流石に、脱がされて奪われることは少ないと思うけど、専用装備にしておこうか」

「よろしくー」

「一応、防水、防臭、防菌と通気性は考えているんだけど。それに、丈夫さと。あ、飛ぶ機能は付けないよ」

「ああ。それは、ミハ?」

「そう。飛びたいんだって」

「難しいんじゃない?」

「ニイちゃんもそう思うよね。それで、背負う翼系を考えている途中」

「おう。そっちも、頑張って」


 ニカはケイがいるであろう方向を見て、諦めるように切り替えた。サラナサは途中から遠くを見ていて、敢えてこちらを見ない。


「出来たら、連絡するね。他に付けた方が良い機能があったら、随時募集中だから。サラナサさんもね」

「・・・う、うん」


 ニカは手を上げて返事をして、また戻っていった。

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