113.変えちゃった
珍しく二人になった時に、ヒイは大家族になっていく志木家についてニカに尋ねてみた。
「ニイちゃん。私、広げ過ぎかな?」
「大丈夫じゃない? まだ、いけるでしょ?」
慎重派で様々なことを鑑定しているヒイに滅多なことは起きない。だから、アークを招き入れてもまだ余裕があるのだろうと察せられる。だからニカは本当に気にしていなかった。
「うん。そうなんだけど。皆はいいかなって」
「私は毎日テレーズが可愛いよ」
「私のクロ君も毎日ふわもふだよ」
「それは確かに」
自分の独断を気にしているヒイに、ニカは自分も自由にやらせて貰っていると伝える。そして二人でお互いの伴侶を褒め合う会話が続く。
「話が逸れたけど、アキちゃんは寂しいとかもっと構って欲しいとか大丈夫かな?」
「それも、大丈夫そうだよ。トオさんと仲良くやっているよ」
「うん。トオさんには感謝だよね」
「本当に。でも、最近は双子のようにそっくりに見えなくなってきたんだけど・・・」
「気が付いた?」
「ええー・・・」
ヒイの言葉にニカが悪いことでは無さそうが、嫌な予感がする話を先延ばしにしたがった。
「しっかり、聞いてね。アキちゃんは進化しました」
「へー」
「性別も変えられます」
「ほー」
ここまでは良かった。
「トオさんを作り変えちゃいました」
「・・・わー。それは、いいの? 大丈夫なの?」
「本人の同意は無いから、どうかと思ったんだけど・・・。怖くてトオさんに聞けないんだ」
「ははは。それはどうしようね」
ニカが笑って誤魔化そうにも難しく、お互い顔を見合わせるが、正直に言うしかないだろうという結論になる。
「今度、こっそり聞いてみるしかないよね」
「事後承諾だけどね。よろしく。ミハには言うの?」
「ミハちゃんが、アキちゃんとトオさんが似てないことに気が付いてからでいいんじゃないかな」
「それも、そうだね。あ、ミハのことは気にしなくていいの?」
ニカはふとミハが大家族をどう思っているか、確認しあってないなと思い聞いてみた。
「ミハちゃん? 存分に満喫しているから心配ないと思っているけど?」
「違いない」
二人は深く同意して解散した。