11.冒険者身分証明書特典
金、銀、銅、木のカードの色を追加しました。
「ねえ、ニイちゃん。クロウ君って登録できるの?」
家を出て街へ向かう半ばでミハがぽつりとニカへ聞いた。
「ああ、そこも聞いてなかったのか。この世界は意思の疎通ができればいいらしいよ」
「そっか。良かった」
安堵したようなミハに、ニカは妹の成長を見て微笑んだ。ミハの疑問はもう少し続く。
「・・・お姉ちゃんとクロウ君は結婚するの?」
「ヒイちゃんは気が付いていないけど、もうしているも同然らしいよ」
「え!?ええ??」
「ミハもそう思うよね。ヒイちゃんそこら辺、さらっと流したんだよ。そっと見守ってやって」
「う、うん」
それでいいのかと思ったミハだったが、クロウはまだ小さいからと自分を納得させ街に入るニカへ続いた。
家に残った四人は、さっそく正式な冒険者身分証明書の書類作成の準備に入った。
「さて、始めます」
「あい!」
「アキちゃん。起きたの?体調は大丈夫?お腹、空いてない?」
「だいじょーぶ」
ヒイがクロウとトオが両隣で見守る中、準備を始めようと腕まくりをすると、元気のいい返事が聞こえ、慌てて振り返りアキへ駆け寄った。鑑定でも確認し、アキが元気そうなことに安堵すると、アキも一緒に準備を始めることとなった。
「筆を用意しまーす」
「ふでー」
「墨を用意しまーす」
「すみー」
「摺ります」
「すりすり」
「で、書道できるくらいに濃くなった墨がこちらになります」
いつの間にか帰って来ていた二人へ料理番組のように見せる。
「私たちは何を見せられているのかな?」
「準備万端だー。アキちゃんもおはよー」
「はよー」
「不思議だよね。丁寧に心のこもった文字を書くと、身分証明書が自分の意識で相手が読めたり、読めなかったりするって。言語関係なく」
ニカがつくづくという感じで告げる。続くヒイが道具を揃え終えて同意する。
「本当に。他にも能力が少しだけ底上げされるって」
「それも、凄いよね。だからミハちゃんは筆と墨って考えたの?」
「うん。書いて貰ってもいいって言ってたから」
「色が違うんだっけ?」
「自分で書いて最高に能力が発揮されると金色のカードになって、書いてもらうと銀色だって。名前を書ければ銅色で、仮が木製っぽい感じ。何回でも挑戦できるから、お姉ちゃん、見本もよろしくお願いします!!」
「ミハちゃんの期待が凄いけど、銅色の可能性が高いからね」
「だいじょーぶだってね。アキちゃん」
「うん!」
「分かっていないアキちゃんまで巻き込んで」
ニカが呆れつつ、早速書き始めている。




