103.似ている?
フランは家に帰って来るなり、玄関にマルクの靴があるのを確認すると叫んだ。ヒイの方針で全部の家、土足厳禁だ。
「マルクー! 魔女の店、凄かったよ」
「ああ。お帰り」
「ただいま!」
ヒイたちと暮らすようになってから、挨拶はしましょうと習ったので、律儀にマルクは守っている。勿論、フランもきちんと返す。
「凄いって?」
「うん」
フランはマルクに凄いと言うと満足したようで、笑顔で仁王立ちだ。一応、更に確認する。
「ええっと、なにがそんなに凄かったんだ?」
「色!」
「色のなにが?」
「同じ所!」
「ふーん」
マルクはフランの言う凄い所を理解できないことをあっさり理解した。マルクがまた賢くなったところで夕食の準備に皆が集まってくる。夕食でもフランは魔女の店に行かなかった面々に、色が同じ所が凄いと伝える。
「似ているじゃなくて、同じな所が気になっているのかな?」
凄いと言うフランにヒイが補足する。誰もが何とか納得すると、その話題にミハが食い付いた。
「似ていると言えば、ケイ達はそれぞれ似てるよね」
「俺たち、孤児だから似ているとこは無いだろ」
ケイが呆れたように返すが、マロウがミハに同意する。
「きょうだいであろう? よく似ている」
「どこがだよ?」
「ケイとマルクはしっかりしている所が似ているね」
ニカが一つ告げると、エルディランドゥ、ミハ、ヒイが続く。
「マルクとフランは素直な所が」
「フランとケイは度量が大きい所が」
「三人とも真面目だし」
「な、なんだよ。マルクとフランはそうかもしれないけど、俺は違うからな」
恥ずかしがるケイにマロウが締めくくる。
「素晴らしく、誇る所だな」
一人、素直ではないケイは誉め言葉を受け取ることを拒否して、全員に温かく見守られて夕食が終了した。




