雑じり気亡き懺悔
鏡よ鏡、許せ、赦して、この懺悔を受け取ってよ。その表面なぞっても、何時にも増して冷たいままだ。一体どれだけ祈れば良い、一体どれだけ憎めば良い。こんなにも苦しくて、誰がゆるしてくれるのか。
眠れぬ夜に自問慈答。混じりけ無くても浅ましい。皆、皆、皆様。どうかきいてよ、誰か答えてよ。許してくれないならこうするしかない、手を出して引っ張り出して、このまま舞台を降りたら良いの。
見えぬ光に自聞除頭、声が反響して目の前揺れる。僉、僉、僉様。どうか届いておりますでしょうか。その前に立てるほどには赦してくれますでしょうか。このまま飛び降りたら、払拭されるのでしょう。
もう問えない、聞こえない。答える頭も最早無い。上、守、紙様。聞こえましたかこの懺悔、届きましたかこの苦痛。もはや雑じり気もないこの祈り。余計なものは全部捧げて、ゆるしてはくれますか。
鏡よ鏡、許せ、赦して、この懺悔を受け取ってよ。その鏡面なぞっても、何時まで経ても冷たいままだ。一体どれだけ折れたら許してくれる、一体どれだけ肉を断てば赦してくれる。誰も居ない事、ホントは知っていたんだ。
鏡は懇願するけど、決してゆるすことなんて出来ないよ。だってやり方が解らないんだ。きっと、鏡のように冷たい人間なんだろうね。苦しくて、苦しくて、首に紐を巻くその姿さえ、観ている事しか出来なかったんだ。
次はもっと、自由になれますように