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OVER END オーバーエンド  作者: 葦(あし)
4/5

光の雨

海戦は続きます。

星暦1929年8月7日



二人の男のシルエットが立っている。一人の男が大声で話し始めた。


「リクシュの予言は当たるのか?どちらにしろ俺がやつらを叩き潰すのは決まったことだがな!」


対して返す男は静かに話す。


「ええ。当たりますよ。リクシュが予言をはずしたことはないでしょう。」


「全く!その通りだな!ハハハハハハハハハハハハ!」


再び大きな声が反響した。




1



「艦隊全艦に告げ。攻撃を開始せよ。」



会議中は全くしゃべらなかった司令官が攻撃の命令を出す。が、しかし。


「お待ちください、イアラフェル提督。司令部から命令です。」


一拍おいて、イアラフェルはオペレーターに聞く。


「なんだ?」


「ロット・コロルクを下げよとの命令です。」


「なにぃ!?我々が信用ならんというのか司令部は!!」


司令部の命令に対して、副官の男にどなり散らされながらもオペレーターは答える。


「し、しかし、、。国防総省からの直接の命令です。」


またしても一拍おいて、イアラフェルは答えた。


「、、、そうか。、、、そうか。


わかった。ロット・コロルクに下がるよう言え。」


「提督!」


提督は無言で副官を制止する。これに対して副官は黙った。



「、、改めて艦隊全艦に攻撃命令を。」





2


突如入った命令はロット・コロルクの戦線離脱。



これで争い事から遠ざかれる!!



なんて考えるわけないでしょ!!


明らかに違和感のある命令。ロット・コロルクは実験艦だ。需要が減り、予備役に変わりつつある海軍。つまり、新造艦であると言うことは改めて別な用途が発生したために建造されたと言うこと。


上層部は艦隊が全滅するとでも思っているのだろうか?


「なぜ、我々に離」


ドォォォォォォォォォン!!!!!!!!!!


考え事を吹き飛ばさんとばかりに空気を震わせる凄まじい轟音が鳴り響く。


なに!?


それは紛れもなく艦隊から発せられた砲撃音だった。見れば、次々と轟音が鳴り響き艦砲から砲弾が射出されている。


!!


少しの驚きを押さえながら砲撃の的である浮遊艦の方に目線を移す。


凄まじい爆音がまたしても鳴り響いたと共に煙が浮遊艦の周りを覆う。砲弾の爆裂魔法が起動したようだ。


やった、の?


少しの間のあと煙が晴れたその先には巨大な船が未だ悠々と浮かんでいた。




3



「なに!!沈んでいないだと!!」



バタフライの艦橋で副官の驚愕の声が鳴り響く中、艦隊では第二射が発射されようとしている。


「ば、化け物か!あれだけの弾幕だぞ!中央連合の船ならもういなくなるほどのものだぞ、、。」


一部の者が混乱するなか冷静な思考を保っていた者が具申する。


「て、提督!砲弾を全て徹甲弾に切り替えるべきです!!」


それを聞いた他の者もたしかに徹甲弾なら行けるのではと考え始める。徹甲弾は装甲に打ち破るのに特化した砲弾だ。


「雷撃弾に変更せよ」


「!!」


「雷撃弾ですか!?」


副官の問いに対して提督は何も答えない。ただ、もう一度


「雷撃弾に変更せよ。」


命令が艦隊全般に広がっていく。


そして



ドォォォォォン!!!



轟音ともに新たなる砲弾が打ち出された。




4


第二射の音が鳴り響く。


くる!


大きな花火が各所でまた開くのかと思いきや帝国の船の周りを青白い電流が走る。


「雷撃弾!?」


ここは徹甲弾を撃つべき。なぜ、提督は雷撃弾を?


電流で内部の人間を狙った?


考えるラーナを蚊帳の外に砲撃は続く。ふと、一隻の艦が偶然にも目に入った。

戦艦カイリン。全長260mの大型戦艦。この艦からも砲弾の雨が打ち出されていた。


そして、映像が再現された。


それはまさに刹那の出来事。映像で見たよりは太いと思われる光の線がカイリンに刺さった。


まさに今、凄まじい爆音を上げてカイリンが沈もうとしている。大きな戦艦がただの一発で真っ二つに割れた。正確には弾薬庫に引火したことによる爆発だった。


なんて破壊力なの。増援にいかなきゃ不味いじゃない!


しかし、彼女はわかっている。増援が無駄だということを。




5


「カ、カイリン撃沈、、。」


といった瞬間に


更なる爆音が鳴り響く。



「クソがぁぁぁぁぁ!!!!!」



副官が怒号をあげる。


見れば海上では次々と光が突き刺さり花火をあげている。ただ、カイリンのように一発で沈む船は現れなかった。しかし、雨が今、逆流を始めたということは誰の目にも如実となっていた。



「そんな馬鹿な!連邦が誇る連邦海軍だぞ!!!たかが侵略者どもごときに負けるわけがない!!」


「敵は電流すら効かんのか!!」


あまりの一方的な攻撃に艦橋要員の大半が悲鳴をあげている。一発目の砲撃が効かなかったとき以上の混乱。



「艦隊全艦に告げ。ワサリラス諸島まで撤退せよ。」


一人冷静な男が指示を下す。


「提督。司令部からです。クレストグラウンドは空中艦隊の派遣を決定しました。」


ひとつの情報が彼のもとにやってくる。この情報に違った意味で艦橋は騒然とする。


「なに!我々の邪魔をする気か!」


「や、やった!これで勝てるぞ!!」


快く思わないものもいれば勝てると心から確信する者もいる。



「空母サトリ撃沈!」



新たなる大型艦の撃沈で場は再び現実に帰る。


「全艦回頭。」


命令が艦隊を駆け巡り、光の雨を受けながら次々と向きを変える。



6


当然、命令はラーナのもとにも届いていた。


「ワサリラスまで撤退?」


「は!」


「提督には何か策があるってこと?」


この状況。彼女は考える。北嵐大洋艦隊に勝ち目はない。あらゆる条件を用意しても、北嵐大洋艦隊単体には勝ち目はない。


勝つためには?



「空中艦隊でもくるんでしょうな。」



自称紳士、ライガーが一言しゃべった。


「そうね、そうでしょうね。」


ライガーの的を得た発言に彼女は同意した。


「てことは、イアラフエルさんもスゴいですねぇぇ。空中艦隊を呼んでぇ、撤退すれーば勝機もありますもんねぇぇ。よく、海軍が空中艦隊を呼べましたなぁ。」


実際には、国防総省が送り込んだわけだがそれを知らない彼女らは水雷長の発言から提督に関心する。


「何はともあれ私たちも急ぐわ」


こうして一隻、戦火を紛れていたこの艦もワサリラスへと舵を切ったのだった。






連邦海軍は史実の第二次大戦の船と余り変わりません。変わっていることは各種武装などに魔法が利用された部分があることです。

雷撃弾は雷の魔法を発動させる弾です。

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