終わりの夜明け
初作品なので優しい目で見てもらえると助かります。
かつてあらゆることを成した者達がいた。彼らは強大な力を持ち明けなき拡張を繰り返した。そんな彼らはある日、ひとつの失敗をおかした。
-OVER END-
1
星暦1929年8月7日
やつらが最初にこの世界に入ってきたのは今から30年前のことだった。今から30年前、、。1899年は時代の節目だ。そんなときに当時の人々は何かが起こるんじゃないか、と考えたらしい。それが本当に当たったんだ。やつらは攻撃的だった。交渉の余地はなかった。軍隊が死力を尽くしてなんとか撃退した。多くの死者が出たそうだ。それからやつらは二度とこの世界に現れなかったらしい。
この数十年間で安らかに眠りについた人達は幸運だったかもしれない。なぜならやつらは昨日現れたからだ。二度とという言葉は昨日覆された。
「表」と呼ばれるこの世界、いわゆる東半球に「裏」と呼ばれる世界いわゆる西半球からやってきた恐るべき集団。
その名を大エクストリア·ラ·イクトソラキア帝国という。
2
星暦1929年8月8日
自分の名前はソーヤ·イタカ。訳あって三日前に冒険を始めた学生だ。いや、学生というのは正しくないかな。三日前に冒険を始めたから。いやいやいや、冒険してるって言うのも正しくない。冒険をやめざる得なくなったからだ。昨日、、、8月7日この世界は変わった。
冒険に出て二日目の夕方、自分の住んでた町の七つ隣の町を歩いていたときだった。パッとついた電灯に驚きつつ丁度下にあったあった店のショーウィンドーのクリスタルテレビの画面が目に入った。周りには他にも人がいてみんながその画面を凝視している。大陸の遥か向こうには巨大な海である嵐大洋とスーパーストームと呼ばれる巨大な嵐があるのだがその付近をまたしても巨大な物体が悠々と進んでいる動画だった。その物体は大きい上に異様な形状をしていた。そんなとき、映像が拡大された。それに刻まれている紋章が目に入った。何かで見たことがある。思い出せない。すると周りの幾人かが声をあげた。これは帝国だ、と。
帝国。
思い出した。教科書にもでてくる国だ。30年前にこの国、三つの大陸にまたがる超大国アデシス·アーキリア合衆連邦が死力を尽くして退けた集団の紋章。帝国の紋章だった。
そこで動画は終わった。急にザーッと音をたてて切れた。そのあとはニュースキャスターが何か騒ぎたてて終わった。なにやら次に政府発表があるらしい。かつて苦戦したらしい相手がまた現れたということは分かったが、そんな大事なのだろうか。
「なんだよ。でかいけど一隻だけか。連邦軍が何とかしてくれるさ。」
誰かが言う。
「そうだそうだ。俺は前のときに戦闘に参加したが、もっとたくさんいたぜ。」
「でも、昔はこんな大きくなかったんだろ?」
野次馬達は各々意見を喋りだした。自分はこのときバカみたいだと思いこの場をあとにした。どうせ冒険中の自分には関係ないと思ったからだ。そもそもテレビ越しのその映像が大事だとは到底思えなかった。しかも、今晩の飯をまだ決めてない。さっさと次の飯を探すことの方が先決だ。
3
星暦1929年8月7日 嵐大洋最東側部スーパーストーム第七接合地点付近
連邦海軍南嵐大洋艦隊所属駆逐艦ロット·コロルク艦長ラーナ·フィルシーは自民族特有の水色の髪を丸めながら後悔していた。彼女は若干二十二歳で艦長についた「天才」だ。そんな彼女を以て今から教科書にのっていないような未知の敵と戦うということになるとは思っても見なかったのだった。天才ゆえに先のミーティングで見た映像に一種の怖さを感じていた。
表面積が地球の三倍はあるこの星の表世界と裏世界、いわゆる東西両半球を隔てる巨大な嵐の列スーパーストーム。未だ帝国しか越えたことがないと言われるスーパーストーム。その嵐大洋側の列の六つ目と七つ目の嵐の接合地点。そこからこの日、巨大な物体が姿を表したのだ。周囲の雲を裂きつつ凄まじい轟音をあげながら進むその物体の大きさは全長3000mはあろう。形状は一本のごつい棒に二つの三日月からなり三日月の丸い部分を棒にくっつけたような姿だ。どう使うのかわからないものがそこにたくさんついており、全体を何本もの線が走っている。その線からは怪しげな光が洩れている。
その異様な見た目と大きさをもつこの物体を偶然連邦の哨戒機は発見することとなった。
「で、でかい。これはインペリウムよりでかいぞ。」
ここまで大きな船と思われる物体を初めて見たパイロットは混乱しながらも母艦に情報を伝えるべく魔法回線を開く。
「こちら第5艦隊所属哨戒機ノーブル3。応答せよ。応答せよ。」
通信士がしゃべる。
「こちら第5艦隊。何があった?」
「はっ。座標03、083に所属不明の超大型の物体を確認。」
五分ほど手短な情報を伝えるたあとクリスタルに記録されたいる映像を母艦に送った。
「他に何かわかることは?もう少し近づいて見てくれ。」
数分たっても全く何もしてこない巨大物体に機長は不思議と安心した。そんなことより母艦に一刻でも早く情報を伝えなければならない。パイロットに近づくよう指示を出したその瞬間であった。急に別な魔法回線が開かれ言葉が流れる。
「貴様らも少しはましになったではないか!ハハハハハッ!」
刹那、誰とも知らない高笑いが哨戒機乗員が最後に聞く言葉となった。
刹那、乗員は気付いた。なめられていたのだと。
かくして、高笑いを同じく聞いた連邦海軍南嵐大洋艦隊は駆逐艦ロット·コロルクを含む艦隊主力30隻あまりで不安を抱きながらこの海を進むこととなる。
これは終わりという名の始まりの物語。
次の話から世界観が分かるような部分を盛り込んでいこうと思います。




