9話 後悔と狼狽
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9話 後悔と狼狽
ザバナ公爵は悪夢を見ていた。
新しい構想の元に作り上げた船!
これは今までのガレンオ船が玩具になるぞ。と…帝国海軍や軍務や帝国の各関係者が絶賛した船!
戦艦!イヤッ!戦列艦だ!
それは我等の国……海を北西の先にある小さな島が5島からなる国……日本国を制服する為に……簡単に片付くはず……島の上陸制圧訓練にもなると思い過剰な大船団……輸送船には歩兵や騎士団を乗せて派遣した。
それが遥か数十キロ先から光の矢が……考えられない速さで攻撃され戦列艦が爆発し味方のガレンオ船団も輸送船もみるみる轟沈……イヤッ!…木っ端微塵になっていく。
私は何て事をしてしまったのかと……。
灰色の大きな鉄船が……悪魔の船……。
==========ザバナ公爵は目をさました。ここは何処だ?真っ白な部屋で清潔な布団?ベッド?ここは天国?
身体を起こそうとしたら激痛がはしる。思わず呻く。
右手の肘の裏側に針が刺さり針から容器に繋がってる。
これは何だ?
その時、部屋に白く薄いダウンを着た中年の男と同じく白い服装の若い女性が入ってきた。
男性医師『目を覚ましたみたいだな。肋骨が折れてて身体中が打ち身の重症ですわ。あなたは運がいいなぁ。あの攻撃から生き残れたのだから。沢山の人が戦死した。戦争なんかするもんじゃない。』
ザバナ公爵『サルーク帝国大船団が負けたのか?1000隻からなる大船団が!』
男性医師『あなたの国は相手国の情報も調べずに戦争を仕掛けたのか?』
ザバナ公爵は落ち込む。
男性医師『私は医師だから詳しくは分からんが素人でも相手の情報を得てから考えるぞ。あんたは先ずは身体の傷を癒しなさい。』と言い部屋から出て行った。
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サルーク帝国の帝都皇帝城談話室ではサルーク18世と三卿の内務卿ウミサハ公爵と外務卿ユルニタ公爵が話してる。
内務卿ウミサハ公爵『ザバナ公爵が気合いを入れて外洋の島国を征服しに付いて行くとは……呆れますな。』
外務卿ユルニタ公爵『敵島上陸訓練を兼ねての弱小島国の征服だと聞いてますよ。』
サルーク18世皇帝『そんなに陰口を言うな。我が許した作戦だ。ザンジバル大陸では我サルーク帝国とセクル王国とマルバス公国との領地をふやし弱小国を属国にするのには今のままでは無理があるからな!』
内務卿ウミサハ公爵『どちらか一国に勝ってもこちらもかなりの戦力低下が否めない……参戦しなかった国と戦う戦力が足りなくなります。奴等に仕掛ける訳にはいきません。』
その時、内務卿の部下が『大至急の報告があります。』と談話室に入ってきた。
内務卿ウミサハ公爵『どうした!慌てて!』
部下が耳元で言おといたので皆にも伝えるように指示をした。
『二日前に軍務卿ザバナ公爵が率いた大船団276隻が戻って来ました。750隻余りが沈没または木っ端微塵に粉砕して大敗した模様です!』
サルーク18世皇帝と内務卿と外務卿は驚いた。
サルーク18世皇帝『何があった!』
部下『帰って来た乗組員によると空飛ぶ鉄竜みたいな物が遠距離から光の矢みたいな物で戦列艦10隻を木っ端微塵に粉砕しその後、帆の無い鉄の船が現れ遠距離からデカイ光の矢で数十隻を沈めた後、船首から少し小さな光の矢で七百隻近くを沈めたみたいです!敵船は10隻ぐらいだっだみたいです。軍務卿ザバナ公爵を始め軍務省の上層部関係者が乗る戦列艦『サルーク1世号』も撃沈され生死は不明との事です!』
3人はこの報告を聞き狼狽える。
内務卿ウミサハ公爵『軍務省関係者 兵士 騎士 船員 ガレンオ船や戦列艦等の再建を何とかしなければ!セクル王国とマルバス公国に知れたら攻め込まれる!』
サルーク18世皇帝『直ぐに箝口令を敷け!話した者はその場で捕らえ死刑にするとする!各省上層部の者と在都貴族を集め対策を練る!』
サルーク帝国始まって以来の大損害の大敗である。
弱小島国を攻め征服するのには過剰な人員と過剰な戦力と過剰な予算を使い…楽勝するはずだった。軍務卿ザバナ公爵が島上陸作戦の訓練を兼ねたいと言うからサルーク18世皇帝は許可を与えた。
戦闘船ガレンオ船と輸送船そして我サルーク帝国初の新鋭船戦列艦10隻が沈んだ。海軍の船の3/2が沈んだ。
戦死者は28万人以上である。
天文学的な損失である。
内務卿ウミサハ公爵と外務卿ユルニタ公爵は帝国の危機と感じ秘かに亡命先を探し始めた。
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日本国東京都総理官邸ではザンジバル大陸のサルーク帝国への制裁の会議が始まってる。
今回の海戦に仕様した武器弾薬等の戦費の回収をする。
サルーク帝国の地質資源を調査して権利を得る。
サルーク帝国の北東にある半島の譲渡を求めそこを日本国領土にする。
その半島は未開の地で妖精諸島のハイエルフ族やエルフ族 ポピット族の話しとこの海戦による捕虜達の聞き取り調査で魔獣や魔物の生息地でサルーク帝国の領土であるが管理放棄地だと分かった。
国会に精細な報告をしてサルーク帝国に賠償と制裁措置の法案を通し行動する事になった。
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