13話 シーハー領境
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13話 シーハー領境
シーハー街日本国行政府は約11000人の獣人の仮設住まいを何処に作るか?その資材の調達に右往左往している。
早くて四日後には到着する。
行政府と国防陸軍施設課の人達は過労死するぞと思いながら昼夜問わず働いた。
サルーク帝国軍では先方の第5軍が消えた事に戸惑っていた。
全滅したのか?獣人奴隷が反乱をおこしたのか?奴隷の紋章の効果が消えたのか?
第1軍を率いる将軍を始め参謀達は困惑する。
将軍は第4軍にその場で待機し第3軍と合流してから進軍するように命じた。
同じく第2軍にも同じく第1軍が追い付くまで待機して進軍する事を命じた。
特安隊はナナイ達ハイエルフをシーハー街に戻し第4軍の監視と情報収集の任務に励む。
特安隊はサルーク帝国軍一般歩兵に変装して第4軍に紛れ込んでた。
最終目的は軍団長と指揮官待遇の者の拉致である。
拉致が無理なら暗殺も辞さない。
特安隊の裏の仕事でもある。
日本国憲法では許されない行為。
総理の陰の部分である。
特安隊は闇を初の実戦した。
闇は真夜中に密かに行動を開始し指揮官を次々と暗殺し数名を拉致していった。
第4軍の軍団長の夜営している周辺は警戒が厳しく軍団長の拉致及び暗殺は取り止めた。
参謀各の者達数名を拉致か暗殺した。
朝日が昇る頃には任務を終え闇も特安隊も撤退した。
第4軍の軍団長は参謀や指揮官待遇の者の死亡と行方不明の報告を聞き『何があったのだー!』と叫んだ。
このままでは軍団の維持すら危ういと危惧し伝令を第3軍に早急に合流するように要求した。
第4軍は一般歩兵隊である。ほぼ全ての兵はこの戦いの為に召集された農民である。
農民達は指揮官が夜の間に殺害されてるの見聞きし狼狽え逃げ出す始末である。
第3軍が合流した頃には混乱の最中で第3軍の召集された農民達にも混乱が波及して逃げ出す者が出てる。
混乱するように噂を流したのは特安隊の闇である。
一般歩兵に交じり海上での大敗北の模様やその大砲で第5軍が殲滅したとか……第4軍の参謀や指揮官達も敵の暗殺で死んだ。その暗殺隊が一般歩兵まで殺しまくってると……。
日に日に混乱が増て農民の一般歩兵達が逃げ出す。
止めに入る指揮官を殺しでも逃げる始末である。
第1軍と第2軍が追い付いた時には第3軍第4軍合わせて3000人足らずである。
将軍や参謀や貴族や騎士達は『なんたる失態だ!』と怒り第4軍の軍団長や生き残りの指揮官達を責めたてた。
その頃、シーハー領境の日本国国防軍司令部では一般歩兵がかなりの数が逃げ出したと連絡が来た。
司令官『特安隊の作戦成功したようだな。後はサルーク帝国の本職の兵隊だな。』と呟いた。
本作戦では出来得る限り徴兵された農民を始め一般民の兵を殺さずあらゆる手を使い逃げ出すようにする。
それでも残る兵は諦めるである。
サルーク帝国第1軍と第2軍は第3軍と第4軍を吸収して進軍を開始した。
後2日で予定の地に着く。
将軍は敵の規模が小さい為にこのような奇策を持ち得て数を減らす作戦だと思っている。
所詮奴隷や一般歩兵は使い潰して我等精鋭部隊の盾にするつもりだった。
精鋭部隊にも損害は出るが勝てると判断した。
彼等にこの世の地獄が有るとは始めて知る。
シーハー領境の日本国国防軍司令部に10キロメートル先にサルーク帝国軍が布陣したと連絡が来た。
陣形は密集体型である。
司令部は絨毯爆撃を指示した。
輸送機を絨毯爆撃出来るように改造した20機が飛び立ち敵軍団に大空から爆撃を投下する。
1つの爆弾に子爆弾が多数有り投下して地上30メートル付近で子爆弾が範囲を広げて落ちて爆発する仕組みである。
この空爆を受けたサルーク帝国軍団兵は逃げ惑った。
後方に回り込んだ対地攻撃ヘリ30機が攻撃する。
後ろに逃げられない兵はシーハー領境に向けて走り出す。
日本国国防軍陣地から自走式りゅう弾砲の面制圧攻撃が開始された。
サルーク帝国軍の騎馬隊は馬が暴れて振り落とされる。
歩兵は何処に逃げても死んでしまう。
第1軍を率いる将軍と参謀達は対地攻撃ヘリの攻撃で既に戦死している。
第2軍の軍団長はこれ以上は無理と思い降参のポーズ…武器を捨てて腹這いになった。
日本国国防軍は一度攻撃を止めて様子を伺った。
サルーク帝国軍の生き残りの兵員達は武器を捨て腹這いになる。
それの報告を受けた司令部は戦車隊を先頭にしてサルーク帝国軍の生き残りを捕らえ負傷者は救助した。
ほんの4時間の戦いであった。
サルーク帝国軍兵の生き残りは恐怖により怯えている。
騎士達は普段から猛烈な鍛練を積み上げ心も身体も鍛え上げてる。
その騎士達も恐怖が心を締め上げてる。
第2軍軍団長は怯えていた。
近付く日本国軍人に……。
捕まって軍団長だと知られたら見せしめで処刑されると思い込んでいる。恐ろしい!っと…。
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