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ただ、気ままであるために  作者: 眠る小籠包
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4話 冒険者ギルド登録2

近づいてくる金髪の男に目を向ける。歩き方から品の良さを感じる。また、体が大きく筋肉質な者が多いギルド内で、そのあたりにいる一般人のような、特徴のない細身であることもあり、この冒険者ギルドの中では一際浮いている。

しかし、相当な実力者であることは先ほどの一撃から分かった。

ただ、ナイフを飛ばされただけであっても、よくわかる。いまだに飛ばされたナイフを持っていた腕がじんじんと痺れるのだから。

痺れる腕を抑えながら金髪の男を見ていると彼はしゃべりだした。


「殺しはいけないな~、これはあくまでも決闘なんだから。」


彼の言葉を聞いていた辺りの人間が騒がしくなる。いくら命をかけるのが日常茶飯事である冒険者たちでも、多少は思うところがあるのだろう。むしろよく分かる。しかし………


そうか、彼には殺そうとしているように見えたのか。だから、俺のナイフをはじいたのだろう。


俺は彼への評価を一つ下げる。


「ま、結果としてはお互いけがもなく終わったわけだし、よかったね。ところで君、」


そう言って俺を見つめる。

ちなみに大きな男は棍棒をもってそそくさと退散している。喧嘩を吹っかけて負けたのが恥ずかしいのだろうか。

その男に興味を一欠けらもむけず、金髪の男は言う。


「僕らのクランに入らないかい。」


「クランって。そもそもあんた誰。」


そう言うと周囲からざわめきが広がる。いや、金髪の男がクランに入れと言っていたあたりからどよめきが起こっていた。


クランというのは冒険者たちが普段よく組むパーティや、同じ目的を持ったもの同士が一つの団体となり、お互いを助けていくための集まりである。一種の商会のようなものである。


それはわかるのだが、ざわめきが起こった理由が俺にはさっぱりわからない。

悪いが俺は世間知らずなのだ。


「ああ、自己紹介がまだだったね。僕はユーイだ。よろしく。」


「俺はアキヒコだ。」


「それで、僕たちのクランのことだったね。僕たちのクランは"シラトガ"っていうんだ。ここじゃ、かなり有名なクランだと自負してるよ。是非とも君にそのクランに入ってほしいのだけれど、どうかな。」


どうかなと言われてもな。

さて、どうしたものか。金を稼ぐにはどちらが手っ取り早いのだろうか。すぐには結論が出ない。


「クランについては少し考えさせてくれ。」


「そっか、そうだね。いきなり言われても困るよね。まあ、考えといてよ。いい返事期待してる。じゃあね。」


そう言ってユーイはギルドから出て行った。ギルドを出たところで話し声が聞こえたので、だれかを待たせていたのだろう。

そのまま話し声は遠ざかっていく。


そういえば、俺はギルドに登録しに来たのだった。ずいぶんと多種多様な障害が立ちはだかったため忘れかけていた。

ようやく俺はギルドに登録ができる。そう思い、俺はギルドの受付へと向かう。

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