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ただ、気ままであるために  作者: 眠る小籠包
3/6

3話 冒険者ギルド登録1

冒険者ギルドの扉をくぐる。中は非常に活気があり、話し合ったり、怒鳴りあっている声が絶えず響く。10人くらいで囲める丸テーブルや5人くらいで囲める丸テーブルがいくつも散りばめられており、丸い椅子も相当な数置かれている。この冒険者ギルドでは、どうやら酒場もやっているようで、受けた依頼についての会議や、依頼成功の祝勝会もしくは、依頼の反省会が行われているようだ。


扉の前に立つ、俺の真正面には受付がある。ここで受付をするのかと、そこに向かって歩く。しかし、俺の目の前に棍棒を持った大きな男が立ちはだかる。俺が右にいこうとすれば右に、左にいこうとすれば左にとしつこく俺を通せん坊してくる。いい加減苛立ちも限界に達しかけ、話しかける。


「なぁ、退いてくれよ。邪魔なんだが。」


「そう思うならば力ずくでやってみな。まぁ、お子ちゃまには無理だろうがな。早く家に帰ってママに甘えてな!」


男はニヒルな笑みをうかべ、おれを挑発してくる。


「おっ!まーた始まったぜ。」


「懲りないねぇ~」


「面白そうだからいいじゃねぇか。」


周りの連中も囃し立てる。


「さぁ、かかってこいよ。」


男は棍棒を肩に担ぎ、すでに臨戦態勢に入っている。

俺もやるしかないのかとナイフを引き抜く。

そして、一歩後ろに下がる。フードで顔が隠れているから、大きな男からは俺の表情が見えていない。そのため、俺が怯えて後退りしたと思っただろう。


しかし、それは大きな間違いだ。俺はただ、男に向かって走り出すために、一歩後ろに下がっただけだ。


「おいおい、まだかかってこねぇのか?」


俺が恐れていると勘違いしている男は、呆れてそう言う。


まぁまて、すぐにお前の首にナイフを押し当ててやるさ。


俺は下げた足を前に出すと同時にナイフを男の顔に向けて放つ。そのまま走りながら2本目のナイフも男の顔めがけて投げる。


「なっ!!」


男は驚き、とっさに棍棒を振り回し、ナイフを2本とも叩き落とした。その隙に俺は、男の背後に回り込む。男はナイフを棍棒で防ぐことが精一杯だったようで俺の姿を見失っている。

今の俺の戦い方は盗賊と呼ばれるものだ。この程度はできなくてはな。


最後の仕上げに、男の肩に乗り、首にナイフを突きつける。

勝負あったな。そう思い、油断してしまったのだろうか。突きつけたナイフが弾き飛ばされる。

先ほど戦っていた男に弾かれたのではない。誰かがナイフを投げて俺のナイフをはじいたのだ。


「そこまでだよ」


そう言いながら、俺たちの戦いを見ていた金髪の猫目の男が爽やかな空気をかもし出しながら近づいてくる。

俺のナイフを弾いたのはこいつか。めんどくさいことになりそうだ。


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