2話 自由都市
第三王女様たちはどうなったのだろう。騎士と盗賊が同じ人数なら騎士が勝つだろうから大丈夫か。まぁ、考えても仕方がない。自分のことを考えるべきだ。
現在、周りを見れば、レンガで作られた家々が建ち並んでいる。家と家の間では主婦たちの井戸端会議が行われていた。横を通り過ぎる人の顔も、井戸端会議をする主婦たちの顔も笑顔であることから、このあたりの住人は経済的に困窮していないことが予測されると言ってよい街である。
俺が今いる街こそがフーレード王国の平民住宅街である。あの長い森を抜けて今、たどり着いたのだ。
いくつかのトラブルに見舞われながらも無事たどり着いたわけであるが、俺は非常に大きな危機的状況を抱え込んでいる。
端的に言えば、お金がないのである。
俺には師匠がいる。自分の街を出発する前に師匠から銀貨3枚と鉄貨3枚ももらったときには心が躍ったものだ。お小遣いというものをはじめてもらったからはしゃいだわけではない。一般的に考えて、かなりの金額だったからだ。なにせ、鉄貨10枚で焼きたてのパンが買えるほどで
鉄貨100枚で銅貨1枚の価値
銅貨100枚で銀貨1枚の価値
銀貨100枚で金貨1枚の価値
金貨100枚で白金貨1枚の価値があるのだ。
これを見てもらえれば銀貨がどれほど価値の高いものかお分かりだろう。
だが、ここに来るまでに、
入場料で門番に鉄貨3枚を払い、
学園入学試験受付所で受付で銀貨3枚素直に差し出す。
計銀貨3枚、鉄貨3枚の出費である。
差引残高ゼロである。生活費がないのだ。
これは非常に困ったことだ。
師匠から硬貨をもらったときにはこのようなことになるなど予想もしていなかった。
おそらく、師匠は知っていたのだろう。そう思う。
根拠はない。なんとなくである。うちの師匠はそういう人だ。
うだうだと悩んでいても仕方がない。
まずは、金がないというこの状況から脱さねばならない。
それはそこまで難しいことでもない。俺は、今すぐ金を稼げる方法を知っている。
そう、冒険者になればよいのだ。