第2話 長い廊下の先には……
しばらく騎士たちに案内されて歩いた先は会議室みたいなところがあった
ここは、国会議事堂か?
「おお!お主が召喚された勇者じゃな?」
中に入ると後期高齢の老人がいた。絶対この人が国王だろ
「お初にお目にかかります西村瑠璃と申します国王様におかれましてはご健勝そう……では無さそうですが」
実際、目の下には隈が出来てるから相当お疲れのご様子
「あぁ、堅苦しいのは無しじゃ普通に話してよい」
お?やっぱり偉い人は敬語が面倒なのかな?
「わかった。これでいいか?」
「「「なっ!?」」」
ん?近衛さん達が驚いてるけど楽にしていいんだよね?
「あぁ」
国王は嬉しそうにしてるからいいみたいだ
「単刀直入に聞こう、俺は何をすればいい?」
「魔国と獣国を戦争させないようにしてほしい」
やっぱり異種族がいるんだ、エルフや猫耳いるのかな?会うのが凄い楽しみだ
「つまり国王は俺に魔国と獣国との争いを止めてほしいと?」
「そうじゃ、わしは戦争のない平和な世を創りたい」
甘いな、そう現実はうまくいかないぞ国王さん
「……理想と現実は違うぞ?」
「そうじゃな、だが理想を追い求めてこそ人生じゃ、そうじゃろ?」
確かに国王の言ってるとこは甘い、がしかしそれが現実になったら……俺の夢も
「いいだろう、だが今すぐに戦争が始まるのか?」
「いや、まだ時間はあるだろうついさっき臨戦態勢に入ったところじゃ」
この国も二国を警戒してるのか?止めたいんじゃなかったのか?
「どっちが先に仕掛けた?」
「多分、魔国じゃ」
この現状を作るために獣国に仕掛けた奴がいる、となると……
「反穏和派ってとこか……何をしたんだ?」
「その話は……この者が以外部屋から出てもらえるか?」
人には話せない内容ってことは極秘事項ってことか?
「国王様!?それではこの者が国王様に危害を加えるようなことがあれば!」
「よい、この者がわしに危害を加えることはない、さがれ」
「し、しかし!」
「ライルよ、二度も言わせるな、さがれ」
「……はっ!」
ライルと呼ばれた近衛騎士は苦虫を噛み潰したような顔で引き下がったが出ていくときに俺を睨んでた、けど俺は何にもしてないぞ、ん?あいつの隣にいた魔術師、見覚えがあるような無いような
「近衛がすまぬ」
「ん?いや、ライルって言ったか?あいつ……はぁ、嫌な予感がする」
あの黒く濁った目、見覚えがある
「ほほう?それはユニークスキルかの?」
「いや、俺の家族と…元家族と同じ目だったから気になっただけだ」
「……さて、魔国が獣国にしたことを話そうかの」
「……」
追及はなし、か……まぁ言いたくないから言わなくていいだろ
「魔王国がしたのは獣王国の第二王女をさらったというのが二週間ほど前じゃ」
「なんで第二王女様なんだ?能力か何かが口に出来ないことなのか?」
「以外に頭が冴えてるようで話が早い」
「まずどこで拐われた?」
「ダンジョン地下七層じゃ」
「ダンジョンとは何だ?」
「蟻の巣のような形をした地下に何層もある空洞と言われるものじゃ、しかもとてつもなく大きい。先代の勇者ですら行けたのは地下15層までじゃ」
先代の勇者がどのくらい強いのかわからねぇから15層が深いのか浅いのか分からないな
「獣人は人間より五感が優れているのか?」
「知っておったのか?獣人は五感が優れているため魔獣に出会わない道を探すことができると言われておるのじゃ」
「じゃあ魔人は身体能力か?」
「そうじゃ魔族の中でも魔人七将は特に身体能力に優れておる、序列七位の色欲の悪魔ですら剣聖でも倒せないのじゃが…」
それ、絶対惚れてて力が出せなかっただけではという気がしてならない
「…そりゃ凄いな」
「今日はもう遅いからそろそろ休むがいい、食事はとったか?」
「あぁ、呼び出される前に腹に入れたから大丈夫だ。細かい話は明日でも聞くわ」
「ふーむ?既に寝室は用意してある、扉の外にいるメイドに寝室まで案内してもらうがいい」
「了解、お休み」
「うむ、お休みじゃ」
……本当に扉の外にメイドがいたよメイド喫茶以外で見ることのできないナイスバディのメイドが!黒髪でポニーテールか、いいね
身長 156㎝
体重 約50㎏
バスト 99
ウエスト 62
ヒップ 88
なん、だと!凄い女性の理想図が目の前にしかも美人
「あ、えっと…寝室まで案内して貰えますか?」
「はい、国王様に丁重に案内せよとのご命令を受けております。では此方へっ!?ふぎゅっ」
あ、転んだ。ドジっ子属性も持ち合わせているのか、こやつ、やるな!って、じゃなくて
「大丈夫ですか?手を貸しましょうか?」
「大丈夫、ですのでお気になさらず」
鼻真っ赤だけど大丈夫なのかな?