口から出まかせとはこのこと言う
「ただいま」とは言ったものの、俺一人暮らしだったなぁ、そのうち慣れるよなって、それより、住宅地のご近所さん達に挨拶回りするんじゃん!やばい考えてない挨拶ってたって、引越したてならまだしも、一ヶ月以上挨拶してきてない、ダメだ考えが出てこない、くそっ!帰りながら考えるつもりだったが、下校途中のロリハプのせいでロリのことしか頭になかった、でもあれは仕方ないよな、だってあの口調であの可愛さ、今でも頭から離れない、いや多分後一年は頭から離れないだろうな!じゃなくて!ではなくて!挨拶だろ!さてどうしたものか、やはりなにも浮かばない、単純に、「初めまして、だいぶ前に引っ越して来た羽地 果芽と言います。挨拶が遅れてすいません!これからよろしくお願いします。」やばい、自分で言っててなんだが、だいぶクズだ、なんだよだいぶ前に引っ越して来たって、最初の挨拶に使う言葉ではない、だが今の俺にはこれぐらいのことしかまともな挨拶が思い浮かばない、まともと言っていいのかはわからないが、もうこれで行くしかない、さあ、行こう!
「…、どこの家から挨拶に行こう…」それだよ、いちばん大事じゃん!
俺の家の前に住んでる人が突然出て来た、チャンス!これも何かの縁、この人からスタートしよう!
「初めまして、だいぶ前に引っ越して来た羽地 果芽と言います。挨拶が遅れてすいません!これからよろしくお願いします。」
決まったー!完璧的なシュミレーションのおかげだ!
「遅いわよ、私は桜場 すみか、よろしくお願いします。果芽さんの親御さんか話は聞いてるわ、一人暮らしなのよね、それで大変だったとは思うけど、それにしても遅すぎ、お姉さん待ちくたびれたわよ」
何か知らんが、俺の挨拶が遅すぎたせいか都合のいい勘違いが生まれているみたいだ、これも親が先に挨拶をしてくれていたおかげか、ただこれは使える!
「すいません、結構一人暮らしが大変で、家事とかほとんど初めてで手こずって、母親や女性がこんなに大変なことをしてると思うと、今までの自分が恥ずかしくて、少しでもまともに家事ができるようになってから挨拶しようと思ってたら時間が掛かってしまって」
「それで、家事はどれだけできるようになったのかな?」
「まだ全然ですよ、洗濯物と料理ができるようになったぐらいで」
「まあいいは、私の家に来なさい、いろいろ教えてあげるから」
「え、え!」