第七話 新居での生活、新しい朝が来た
翌日には、Amas●nに注文していた品が全て届いた。
全部、新居の広い庭に積まれていた。
相変わらず印鑑やサインは不要で、どんどん運び込んでサッサと帰ってしまった感じだ。
隔離中だから仕方が無い。
だが、箱に入っているとは言っても、ベッドなども庭に積んである。
棚やソファーなどの大きな家具もあるので、かなり広い芝生の庭が荷物でいっぱいになっている。
雨の日でなくて、本当に良かった。
俺たちは、夏美や美保子の力も借りて、新居の掃除や荷物の運び込みをした。
重い物は、イーシャの魔法で重さを軽くして運ぶ。
押すだけでいいので本当に楽だ。
イーシャの力が無かったら、こんなに早く荷物の搬入は出来なかったろう。
医療検査機器などを運び出した際に、掃除はされていると言うことだったが、自分たちで改めて掃除したいと思ったのだ。
家具類を並べて行くと、二階の寝室で俺たち全員が固まって寝ようとしていることが、早々にバレてしまった。
そりゃわかるよなぁ。
「異世界では、みんなで肩を寄せ合って寝てたんだよ」俺がそう言っても……。
「ここは異世界なんかじゃないもん」
夏美は、プーっと膨れていたが、「まあまあ、みんながいることだし、そうそう間違いは起こらないよ」と言う美保子の言葉に、納得できかねると言う表情ながら仕方が無いと諦めた様子だ。
「だったら、あたし時々見にくるからね!」まだ夏美は憤懣やるかたないと言った感じだ。
「じゃあ、お前も寝に来たらいいんじゃないか?」と言ったら、夏美はパーっと明るい顔をして、うん、うん、とうなずいている。
「では、私もそんな夏美を監視しに泊まりに行くわ」と美保子。
嬉しそうにしてた夏美は、今度は何だか複雑な顔だ。
夏美の百面相は面白いなぁ。
「おお、委員長もよろしくな」
美保子は、メガネの奥をキラーンと光らせてうなずいた。
さて、あとは氷堂家の俺の部屋から荷物を運ばなければ。
16年間暮らしただけあって、荷物の量はそれなりにある。
もう見ないような物は、どんどん段ボール箱にしまって行く。
こっそり見たい物は、別な段ボールに取りあえず隠そう。
さすがに、終始夏美に監視されているわけでは無いが、俺の桃色コレクションを段ボールに詰め終えた時は、ホッとした。
夕食前には、何とか俺の部屋の荷物の搬出も終わる。
まあ、食事だけは新居でなく、こちらで取りたいものだ。
母さんの料理は旨いしな。
食後の風呂は気持ちよかった。風呂はまだ旧宅の方だ。
相変わらず、風呂から聞こえる少女達の嬌声は悩ましい。
夏美と美保子も俺の家の風呂に入っていきやがった。
美保子の水色のパジャマ姿もいいなぁ。夏美は薄いピンクか。
て言うか、お前ら今夜からさっそく新居の二階でお泊まりかよ。
夏美と美保子とファンシアとイーシャにアイラと、五人もいるのだ。
キングサイズのベッドでも、そんなに全員では寝られないぞ。
俺たちは、風呂に入ってから新居に移動したのだ。
俺は仕方なく自分の新しい部屋で一人寝ることにした。
あ~あ、今夜こそは美少女達にくるまれて寝たかったのになぁ。
また俺は血の涙を流しながら眠りについた。
朝起きたら、アイラが俺のベットの中に潜り込んでいた。
夜中に俺の部屋に忍び込んできたのだろう。
まだ寝ているアイラのネコ耳を、やっと撫で回すことが出来る。
イイ、実にイイ!
シッポもついでに触ってやろう。
シッポは、特性パジャマのズボンの尻の部分から出ている。
尻の根元のシッポをつかんで、シッポの先の方に撫で上げる。
うむ、これだ、これなのだ!
アイラは眠っているようだが、シッポを撫で上げられるたびに、ビクッ、ビクッとしていた。
ネコ耳の穴の中に指を入れ、耳を掴みながら獣毛の柔らかさを堪能する。
アイラはまだ眠っているが、呼吸が速くなってきている。
ハァハァ……。体もビクン、ビクンとしている。
いかん、アイラの目が覚めてしまう。
俺は撫でるのを自重して、今度はアイラに抱きつくように全身で後ろから覆い被さった。
くはぁ、プニプニの幼女の肉体だ。
俺は、抱き枕のように抱きしめながら、いつしかまた眠りに誘われていた。
気がついたら、なぜか俺の後ろにしがみつくように、イーシャもベットに潜り込んでいた。
うはぁ、気持ちいい~。
美少女と美幼女とのサンドイッチだ。
だが、ちょっと暑いな。
それに、背中に当たるような当たらないような胸は……ちょっと小さいから感触がよくわからん。
もっと堪能したいとイーシャに背中を押しつけている時、バタバタと部屋にパジャマ姿の夏美が飛び込んできた。
「もう、姿が見えないと思ったら、こっちに来てる」
バサーッと布団をめくり上げられる。
「朝ですよ~、起きてくださいね~」
夏美の威勢の言い声が耳に響く。
はい、はい、わかりましたよ。
美保子も夏美について来ていた。
川の字になっていた俺たちを見て、美保子の目がキラーンと光った。
何を考えているのか、怖いよ美保子さん。
美保子はブラを付けずに寝る習慣のようだ。
水色のパジャマ越しに、胸のポッチが見えるぞ。
夏美も見てやろうとしたが、イーシャとアイラを連れて、サッサと部屋を出てしまった。
またねっという感じで手を振り、美保子も出て行く。
まあ、ちょっと嬉しいことあったからいいか。
でも明日こそは、夏美と美保子を帰してバラ色の就寝生活を送るのだ!
俺は心に誓うのだった。