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それは、何かの手違いでして

フワリ、きらびやかなドレスの裾を優雅に靡かせつつ、少女は後ずさる、口許には手てわ控えめに隠している

「なんと、なんということ…!」

少女は、非常に混乱していた

目の前には、見たこともない服を身に纏う少女の年とあまり変わらないであろう、落ち着いた様子の少年二人

一人は神に近し存在が持つとされる金色に近い茶色のふわりとした髪にどことなく惹かれる紫色の穏やかそうなタレた目

一人は邪神の使いとされる存在が持つとされる黒色の前者よりふわりとはしていない髪に引き寄せられるオレンジ色の厳しそうなツリ目

茶髪の少年には、白く輝く印が右手の甲に

黒髪の少年には、黒く輝く印が左手の甲に

「そんな、魔王候補が勇者候補と共に召喚されるだなんて!!」

少女は震え、恐怖に表情を曇らす

「そう、だわ、お父様にお母様、兵士達に知らせなければ」

少女はそれだけ呟き、二人の少年が眼中に無いといった勢いで部屋を出て、走り去っていく


少女が走り去っていった後、少年二人は唖然としているように思えた

しかし、唖然というよりも呆れや驚きの表情なのが見てとれる

ポツリ、黒髪の少年は言葉を紡ぐ

「……早速放置とか、どういう神経してんだ?」

顔を歪め、軽蔑の眼差しを少女が走り去った廊下に向ける

その言葉に反応し、茶髪の少年は黒髪の少年の方を見ると、表情に対して困ったように控えめに笑う、眉が垂れ下がりなんだか頼りない印象を与える

「そう言ってやるなよ。それにどうやら、早速どちらかが窮地に陥ってるっぽいし」

肩を少し上げ、まるでお手上げとでもいうかのような反応を見せる茶髪の少年に一つ、溜め息を漏らす黒髪の少年

「まぁ、な?」

「それに、逃亡するなら今がチャンスだよ」

ケロリと当たり前かのようにいう茶髪の少年

「確かにな、しかし先に情報を集めるのが先決だろう」

もっともな反応の見せる黒髪の少年に同意しつつ、茶髪の少年は口を開く

「けれど、どちらかが捕まったり攻撃されたらどうするのさ」

「その時は、お前の案に従って逃亡する」

バッサリと切り捨てる黒髪の少年にクスクスと笑う茶髪の少年

「他の選択肢は考えないのかい?例えば交渉とか」

「無駄に終わる可能性がある以上はやりたくない」

まるで正論でも言うかのように茶髪の少年の提案を切り捨てる黒髪の少年

黒髪の少年の発言にまた、クスクスと笑いながら目から溢れでた涙を指で救う

しかし、そんな平穏も束の間

カツカツと大人数の足音が此方に向かっているのが聞こえてくる

二人は談笑とも作戦とも言えない会話を止め、口を閉じる

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