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エステルドバロニア  作者: 百黒
4章 港の国
54/93

4 混乱

.





 揺れる馬車の外は、どこまで行っても暗いままだ。松明すらなく、月明かりだけを頼りに山賊の集団は、器用に馬を操って細い獣道をするすると進んでいく。

 座り心地の悪い木箱のような椅子に座っているが、サスペンションなんて高等なもののない馬車は小石程度でも大きく跳ねるので、浮いた瞬間低い天井に頭をぶつけ、着地のたびに尻から衝撃が突き抜けて変な声が漏れた。


「マスター、私に着座することを推奨します」

「それは、ん゛っ、見られた時にどう思われ、るか分からんから……くぅっ!」


 みっともなく姿勢を崩して跳ねるカロンと違い、コードホルダーは手を膝の上で揃えた姿勢を一切変えず跳ねている。

 確かに彼女の義足は本物と同じくらい柔らかそうに手の重さで凹んでいて、膝枕してもらえばさぞ心地良いんだろうが、コードホルダーが言うにはあの膝の上に座れと言う意味だ。見知らぬ土地で恥も外聞もないのかもしれないが、それは男として受け入れ難い提案なのである。

 しかし相当な悪路に入ったらしく、振動が徐々に強まっていき、ガタゴトと大きな音を立てるのに合わせて平凡な男の体は馬車の中で跳ね回った。

 右へ左へ後ろへ前へ、体のあちこちをぶつけては短く呻くカロンを見かねたのか、小さな手が見かけによらぬ力で引き寄せると、強引に膝の上に座らされた。

 コードホルダーは尻に吸盤でも付いているのか、初めに座った位置から全く動かず、浮き上がることもない。

 見かけは美しい貴族の少女だ。その上に背中を向けて座っているのはものすごく恥ずかしいが、がっちりと腰を掴まれているので抜け出すことが出来ないカロンは、左右の小窓から覗かれていないか目を彷徨わせた。


「すまないな……」


 今更取り繕ったところで手遅れな気はするが、それでも誰かと一緒に居ると自分を装ってしまう。ただ、前より少し堅苦しさが欠けているように思えて少し不安になった。


「怪我を負わせるのは従僕の恥です。マスターの御心は理解していますが、どうか」

「うむ……しかし、厄介なことになってしまったな」


 話題を振ると、コードホルダーのカメラアイが弦を擦るような音を立てたのが背中越しに分かった。


「厄介……リフェリス王国に関しては、偶然の事故と言えどマスターを危険に合わせました。相応の報いは当然与える必要アリと判断いたします」

「そうじゃなくて……いや、そうだな。結果として無事ではあったが、明らかな敵対行動だ。邪魔になる奴は一人残らず処分させてもらわなければならないだろう」


 ザザ、と覚えのあるノイズが一瞬脳裏を駆けた。

 自分に敵対行動を取る者に一切の容赦はしない。それがどれだけ凄惨な末路を辿ろうとも、良心の呵責など抱かない。


「……?」


 殺意、とは違う。

 まるで羽虫を駆除するような、雑草を刈り取るような、人を人と思わない感情。

 ミラが死んだら悲しいと思える。子供が亡くなるのも辛いものがある。むごい死体は見たくないし、グロテスクな光景は吐きそうになる。

 なのに、今自分を害そうとする貴族の死骸を想像した時、胸がすっとする感覚があった。いつもの自分とはかけ離れた思考に違和感を感じたが、その違和感もすぐに消えてしまい、疑問を抱いたことを不思議がるという奇妙な現象に余計首を傾げてしまう。


「どうかされましたか?」

「いや……」


 言葉を濁し、言い知れぬ不快感を払うように「とにかく」と前置きした。


「相応の報いは受けてもらうのは決まりだからいいとして、問題はどうやってエステルドバロニアに戻るかだ。どうやら支配地の外では私の転移は使えんらしい」


 マップだけはヴェイオスの偵察した成果が役に立っているが、転移の範囲はミャルコの支配する頂上付近までしか効果がない。

 浮かべたウィンドウに表示された文字は暗くなっていて、試しに押しても反応はなかった。


「最速の手段は高機動ユニットによる高速飛行での運搬は可能ですが、マスターの肉体は耐えられません。同様に、登山も負担と判断します」

「だろうな。最も安全な方法はあるか?」

「検索……第十六団工作部隊を動員してトンネルを掘削し、東西を繋ぐのが最も目立たず安全かと」


 港湾商業国家に派手な行動で敵対されるのを避けたいカロンの思いを汲んだ提案に、「日数はどのくらいだ」と尋ねれば、間髪入れずに答えが返される。


「竣工想定期間は最短で五日と推測します」

「そうか」

「手段を選ばないのであれば、コルドロン連峰を消滅させて平地にすることも可能です。こちらは二日も必要としません」


 その気になればいかがですか、とファストフード店のような軽いノリで勧められ、カロンから表情が抜け落ちた。


「それはやめておこうか。しかし山を消す方が早いってなんだ」

「崩落の危険性がありませんので」

「なるほど……?」


 なんにせよ、安全でこっそりできるのはいいことである。王国の一件が片付くまでは余計な面倒を抱える余裕はカロンにはない。

 情けない話だが、二面作戦を取り仕切る能力がないと自覚している。ただでさえ王国のせいでこの不可解な状況に陥っているのだ。

 カロンがどう行動するかに関わらず、日数は必要になるわけで。つまりまた、自分の意思と関係ない方法で異世界探訪が始まるのである。


「はぁぁ……」


 異世界の街並みを見て、文化に触れて、生活を感じる。憧れはあるし楽しみにしているし、王国に行く目的の一つに含まれていたのに、どうしてこうも運が悪いのか。

 どこまでいっても気苦労が絶えない星の元に生まれたんだろうな、と諦めを吐いた。

 いつの間にか揺れが収まっていたことに気付き、コードホルダーの膝上から降りて隣に座り、小窓から見える景色を眺めながら物思いに耽ける。

 これから自分のすべきこと。これから起きるであろうこと。考えるほど泥沼に落ちていき、合わせて睡魔も押し寄せてきた。

 うつらうつらとしながら暗い森を見つめたまま、最後に浮かんだのは転移する直前に見た光景。ミラとエイラが必死に手を伸ばしていて、その向こうに高笑いを上げる女の姿があった。

 誰一人として、この事態を予期していなかった。ルシュカも、アルバートも、ミラも、自分も。

 王国内で不穏な動きがあるのはなんとなく察知していたし、行動すると考えていた。にもかかわらず、あの男は幾つもの穴を掻い潜ったのだ。

 何者かが裏にいるのだけは間違いない。それも全員の目を欺けるほどの力を持つ者が。


(逆に、此処にいる方が安全なのかもな)


 外に広がる闇に沈んでく感覚に身を委ねていく。数日の疲れが津波のように押し寄せてくる。

 一瞬、ピロンと眼の前に小さなポップアップが現れたが、睡魔に抗えないカロンはそのまま瞼を閉じてゆっくりと夢の中へ落ちていった。


 カロンが眠ったのを確認して、コードホルダーは壁にもたれかかったカロンの身体をそっと引き寄せ、膝の上に頭を乗せた。

 会談が決まる前からあれやこれやと精力的に動き、今日も気を張って事に当たっていたのを知っている。おまけに不測の事態まで自身に降り掛かったのだから、疲れるのも無理はない。

 険の取れた寝顔を見ながら優しく頭を撫でながら、紫と橙のオッドアイを屋根へと向けた。


「盗み聞きは感心しませんね」


 窓の外には闇だけが広がっている。蹄の音と馬の息遣い、僅かな風の囁きしか聞こえない中で、コードホルダーの無機質な声は良く響いた。


「ま、バレてるか」


 姿は見せないが、声はカロンが頭領だと思っていた人物と同じものだった。

 悪びれる様子はなく、むしろ今まで黙っていたことが予想外だと疑問を投げてきた。


「なんですぐそのご主人様に言わなかったんだ?」


 コードホルダーの答えは簡潔だった。


「今のマスターには休息が必要でした。礼を失する真似をするなら相応の対処をしますが」

「何度も言うが、あんたみたいな化け物を相手にしたくねえよ」

「左様ですか」

「……てめえ、人間じゃないだろ。生きてるって気配が全く感じられねえ。かと言ってアンデッドの死んだ気配も感じねえ。何者だ、お前もそのご主人も」

「それは貴方がたの雇用主がご存知では?」

「あいにくとそんな賢くねえのさ。金払いだけは良かったけどな」

「それは、我々の情報がそれだけ早く伝達され、支払いも早急に行える体制が存在していると推測してもよろしいのでしょうか?」

「答えると思うか?」

「今なら答えたくなっているのではないですか?」


 暫しの沈黙。カキンと彼女のどこかから聞こえた稼働音が緊張を誘い、男は観念したように頭を掻き乱した。


「そうだな。ご主人様に目覚めのキスでもして、「悪は私たちを置いて逃げました」なんて言われたくないんでね」

「そうしてくれた方が好都合です」

「そのつもりだったがな。あんたらとは仲良くしとけって勘が囁いてんのさ」


 互いの声色に緊張はないが、周囲を固める男の手下たちは冷や汗が止まらない。剣呑としているわけじゃないのに、銃口を突きつけられているような錯覚がある。まるで無機物の兵器だ。

 些細なきっかけで撃鉄が落とされる危険性を男も感じているのだろう。セーフティとなるカロンが寝ている今、適度に降参することを選んでいた。


「確かに向こうとパイプはあったが、今はもう使えねえ。そう言う魔術だったんでな。本当なら新しい騎士団長の女だって言ってたのに、いざ来たのが二人組の貴族様だ。確認したらそのまま殺せって言われたが、こんな化け物なんて聞いてねえから逃げることにした。どうだ?」

「今も連絡は」

「取れてねえよ。この魔術がそもそも向こうが作ったもんだからな。切られたらそれで終わりさ」


 思った以上にベラベラと話すので疑ったコードホルダーだが、センサーを駆使して集めた脈拍や体温の情報で真だと判断した。

 肝心な相手の情報だけは口にしないが、それは王国派遣組が調べるだろうと探ることを放棄する。


「で、次はこっちの番だ」

「……情報交換の約束は交わしていません。その決定権を私は持ちません」

「そう言うなって。俺たちも被害者なんだから、巻き込まれた者同士仲良くしようや」


 別段コードホルダーはこれ以上の情報を求めていないが、カロンがこの集団の正体を気にしていたことを思い出す。


「高値で売れますよ?」

「あのなぁ……俺はさっきまでの話を聞いてたんだぞ? 二日で山を消し飛ばせるなんて自信満々に言う奴らを敵になんか回したかねえって」


 その返事を聞きながら、コードホルダーはチャットで指示を仰ぎ、目を閉じてから呟いた。


 ――我らはエステルドバロニア。遍く天魔波旬を統べし王に忠義を捧ぐ獣の国だと。





 カロンが牢の中で回想している頃、リフェリス王国の城内はもっと緊迫した状況だった。

 当然だ。なにせ一国の主が不慮の事態によって姿を消したのだから。絢爛豪華な夜会から。

 事情を知らない参加者は突然の緊迫状態に動揺を隠しもせず、ホールの入口に立ち塞がる者――王国騎士に詰め寄って説明を求めているが、彼らは無言を貫いて鞘に収めた剣を床に突き立てて動く気配がない。

 怒声も罵声も、例え実の親の声であっても聞き流して知らぬ存ぜぬを決め込む騎士たちの顔はヘルムに覆われて見えない。もし見えたら、きっと真っ青な顔で冷や汗を流し、頼むからこれ以上刺激しないでくれと願う表情が窺えることだろう。

 国の外周を、背筋の凍りつくような装備を纏った魔物が囲んでいると知らない者と知る者とでは、存続の危機に対する認識があまりにも違いすぎた。今一歩間違えば滅びかねないだなんて、あの戦場を知らない連中には説いても分からない諦観さえある。

 混乱に包まれたホールから離れて、国王アルドウィン・リフェリの私室。侵入者を許さぬよう玉座の間より奥に作られた広い部屋の中では八人の主要な人物が集まっていた。

 国王アルドウィン・リフェリ。勇者ミラ・サイファー。教皇エイラ・クラン・アーゼル。第二団団長グラドラ。第四団団長守善。第五団団長エレミヤ。そして、残る二人。


「なんたることだ」


 アルドウィンがレースの天蓋が付いたベッドの上で、寝間着姿のまま縁に腰を据えて頭を押さえながら絞り出すように呟いた。

 月さえ暮れるほど続きそうな招宴であっても終わるまで同席するのが王の役目だが、今日だけは異様な睡魔に襲われて早々に部屋で休んでいたのだが、この乱入者たちに叩き起こされて寝ぼけ頭に聞かされたとびきりの問題に眠気も吹き飛んでいた。おまけに容赦なく突きつけられる殺気の刃に草臥れた肝をきんきんに冷やされていて眠気どころではないのもあったが。

 恐る恐る顔を上げれば、才がなくとも見えてしまう混沌とした魔力の奔流が、カーペットの敷かれた床に転がされた二人に向けられているのが分かった。


「ねえ。いつになったら殺していいの? アタシにも限度ってものがあるんだけど」

「同感だ。もう我慢することなんてねえだろうよ。このバカを殺せばこっちの溜飲が下がって国も傾いて万々歳だ」


 黒い軍服姿のエレミヤが指でナイフを転がし、同じ軍服を着たグラドラも拳を鳴らしてその時を待っている。だが、守善だけは二人を押し留めていた。同じ黒の軍服に、腕を隠せるようにと片側だけ長い外套から巨腕を顕にして広げている。


「俺も同感と言いたいけど、俺たちの判断で動くのだけはカロン様の方針から外れるかもしれないんだから、もうちょっと我慢してよ」

「ふざけてんのか守善! 王がこいつらのせいでどっかに飛ばされてんだぞ! 明らかな敵対だ! それをなかったことにしろってのか!?」


 天井スレスレの位置から吼える人狼の迫力は普段の比ではなく、入り口の扉に背を預けて成り行きを見ていたミラの体も一瞬小さく震えるほどだ。

 それでも、守善は首を振る。


「そうじゃないってば。少し落ち着きなよ」

「落ち着いていられるかよ!」

「落ち着け」


 噛みつきそうな勢いで顔を近づけてきたグラドラに対し、守善は巨大な四本の角を突きつけるように前のめりになって低く命じた。


「何回も言ってるけど、俺たちの判断だけじゃダメだってだけだ。ルシュカもさすがに決めあぐねているし、カロン様からもまだ連絡がない。けどナメた真似をした連中をそのままにだけは絶対にするわけにはいかない。だろ?」

「当然でしょ。アタシたちがこんなに優しくしてやってるのに仇で返してきたんだから、そーおーのむくいは受けてもらわないとエステルドバロニアの名がすたるよ」


 トントンとつま先を鳴らして周囲に目を配らせるエレミヤに、普段の飄々とした明るさはない。笑みは消え失せて、縦長の猫目には殺意がありありと篭っていた。


「だから、先にやっておくべきことがある」

「なんだよ!」

「決まってるじゃん」


 そう言って守善は、これから踏み潰す虫けらを見下すような嗜虐を翡翠の瞳に浮かべてニタリと笑った。


「探すんだよ。我らが王を嘲る屑を洗いざらい、さ。綺麗さっぱり、根こそぎ掃除するほうが気持ちいいだろ?」


 その考えに共感したのか、それでひとまず溜飲を下げたのか、グラドラは鼻息で守善の白い髪を揺らしてから顔を離して同じように転がった人物を見る。

 一人は、ヴァレイル・オーダーの助手を務めていたチェルミーと呼ばれていた若い女、セーヴィル・ハイランド。そしてもう一人はアルドウィンにとって最も苦しい人物だった。


「何故だ、兄よ……」


 王国の宰相として、即位してからずっと支えてきてくれた義理の兄。ラグロット・フォン・ボルノアであると何度も目を向けて確認して絶望する。妻を亡くした時は共に泣いてくれた、聡明な彼が何故と。

 そんなアルドウィンの内心など関係などないと、刃先を摘んだエレミヤが意識を失っているセーヴィルとラグロットの眼前にナイフを投げた。鼻先三寸に突き刺さり、魔術紋の淡い光が閉じられた目をむずがらせている。


「いいよ、聞いたげる。王様も罪のない人を殺すのは嫌がるだろうし。それにそこの人も手伝ってくれるでしょ?」


 エレミヤが振り返ってミラを見ると、ミラは一も二もなく頷いた。


「ミラ・サイファー……! なぜ貴様がそちらにつくのだ!」

「なぜって……この状況を見て本気で仰っているのなら耄碌で済まされる話ではありませんよ、アルドウィン王」


 自分の国を守護する騎士団の長に命じた騎士の誉れが簡単に魔物に従ったことにアルドウィンは憤慨しているが、ミラからすればカロンへの約束や感情を抜きにしても答えは決まっている。


「私は騎士の誉れ。弱者を守る剣として、王国を護る剣として、その任を全うする者です。断じて王の義兄を生かそうと共に嘆願するためでも、国の重鎮や有力貴族を死なせぬよう立ち回るためでもありませんので」


 そもそも、と付け加える。


「貴方だって、宰相と同じ意見だったではないですか」


 ぐっと喉に言葉を詰まらせたアルドウィンに、鋭く暴力的な視線が三対向けられて血の気が引いていった。


「どうするのー?」

「さあ? 関与しているなら当然捕まえるけど、何かあるとも思わないで呑気に寝てるような奴が共犯とは思えないけどどっちでもいいよ。()()()()()()()()()()()()()()

「ふぅん……よく分かんないからいいけどさー。で、エイラちゃんはなんでここにいたの?」


 急に話を振られて、ミラよりも存在感を薄れさせていたエイラははっと顔を上げてぎこちなく笑った。


「それは……」


 エイラは、悪戯が見つかった子供のように微かに震えている。むしろ、叱責を求めるような懇願を涙に潤んだ瞳に浮かべていた。

 魔物たちが現場に向かった時には全てが終わっていて、主犯らしく馬鹿みたいに笑うこの二人を黙らせてこの部屋に来たばかりなので事情を詳しく知らない。

 その場に居合わせたエイラとミラが何か知っているだろうと同行させたので、目を細めるエレミヤの眼光にはただならぬ気迫が篭っている。


「カロンが転移した原因が、私と教皇猊下にあるからだ」


 言い淀んだエイラに変わって、ミラが口を開いた。犯人が寝こけている以上まだ聴取もできないだろう。


「教えてくれるよね、当然さ」


 視線が全て集まっているのを感じながら、ミラはこの会談当日、朝からの王国の様子を訥々と語り始めた。



次から会談当日に戻ります。


8/7 せーヴィルの性別直しました

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[気になる点] 山賊っぽいやつを殺さない理由はなんなの?ただ甘いだけなの?何がしたいのか理解できない
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