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色騎士物語  作者: トム
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第4話 緑騎士の能力

数十本の矢が思い切り頭上に降り注いだ。それは、普通の人にはかわしきれない数であり、同時に死を告げる数でもあった。が、それはあくまでも普通の人の場合の話しである。


緑、それは太古の昔より風を司る色と言われてきた。


世の中にある七大色と、二小色からなる計九種類の魔法の中でも切れ味は抜群の色だ。そして、それは身を守ることにも使えるのである。男は

「緑色魔法、風の絨毯、ウィンドカーテン」

と呟く。と同時に体の周りに発生した風を身に纏った。そしてそれで弓矢を弾くように回転、つまりすべての弓矢を無傷でかわした。


「出てこい、ゴミ共。」

男がこう言うと、草むらの陰からぞろぞろと二十人程度の兵士が出てくる。

「あちゃー・・・。オレの計算では19人だったのにな。おっしー、はずれた・・・。」

男は風の遮るもので数を判断する。それをかわすということはおそらくなにか魔法を使ったということだろう。つまりこの中にひとり、リーダー格の男がいるかな。

これが、緑騎士の予想の最終地点だった。


「流石だな、緑騎士、ワロフ。だが、この人数相手に戦うのは流石にきついだろう。」

「ふっ、そうだな。あぁ、きついきつい・・・。」

しゅぱ、っと三人の首が切れてどさりと地面に落ちた。

「めんどくさくて、きっついわ。」

「何っ。」

兵士たちの間に恐怖が走った。まったく見えなかった。まさか、色騎士がここまでとは・・・。

世の中に色騎士の強さが分かっていないものはたくさんいる。いや、知っているものの方が少ないくらいかもしれない。


ワロフはさらに予想を発展させた。

四人切ったつもりなのに三人しか死んでいない。一人かわしたやつがいる。

「お前、強いだろ。魔族かな?」

そう言ってワロフが目を付けたのは黒と赤の鎧をきている男だ。

「何、俺か?」

とその前の男が視線に気づいていったが、ワロフはわざわそんな男の自慢話を聞くほどの心の広さを持ってはいなかった。

「そうだな、俺を―」

俺を警戒するとはなんてやつだ、と言おうとした男をあっさりと切り殺した。それも、他のやつには見えない速さで。


「お前だ、お前。」

何も知らないとそっぽを向くやつにワロフは話しかける。

「俺か・・・。」

とまだとぼけた様にするので、あまり心が広くないワロフは少し威嚇した。


すーと周りの気温が下がると錯覚するほどの威嚇だ。

これで周りの兵士たちは何も言えない、というよりは動けなくなった。

「お、これでも耐えるか。大した奴だ。」

とワロフは威嚇の段階を一つ上げた。


ワロフの頭に伝説の風のドラゴン、ウィンドキングドラゴンが浮かぶ。

そして、そのドラゴンが雄たけびを上げた。もちろん、これも錯覚である。

「ぎゃー。」

と各々の口から悲鳴が上がり、またあるものは小便を漏らした。


ワロフが目を付けたものも流石にこれには耐えられず、周りの様な悲惨な状況(悲鳴をあげたり、小便をもらしたりなど)まではいかずとも額から汗が飛び散った。

「くっ。」

男は殺されるかと半ば諦め、目を閉じた。


それからどれくらいの時間が経ったのか、その男には分からなかった。が、気づけばベットで寝ていた。なんだこれは夢かと、思った途端にワロフがお茶を差し出したのでまた目を閉じた。

「おい、おいっ。」

とワロフに起こされようやく、会話ができる状況になった。

「で、お前なんて名前?」

「俺か・・・。」

「お前以外にだれがいんだよ。」

とワロフに一喝され、ようやく男は名乗った。

「俺の名はシュールだ。」

「ふむ、シュールか。今から俺が聞く質問にすべて答えれば助けてやるよ。」

ノーとは言えなかった。

「まずは年齢、性別、まぁ、性別は見ただけでわかるが念のためだ。そして、誰の部下でどのくらいの実力があるのか。そして、得意な魔法の色は」

など、男はすべて聞かれたのだった。


           #           #           #


・・・一方、ロイは・・・

まだまだこの大陸を抜けるにはかなりの距離があり、かなりの時間を要した。これから長い旅の始まりだ。そして、サンム村を出てから二日目だった。

ロイを乗せた馬車(ロイが途中で商人から買い取った)は泥と化した道を走っていた。

「あぁ、今日もそろそろ日が暮れちまうか・・・。」

と、宿探しをしていた。と、そこでいいタイミングで村を見つけた。ロイは運よく思い、そこで泊まることにした。

が、なぜか嫌な予感がした。それでも、まぁ、大丈夫だろうと勝手な見解をし、深く考えないのがロイのいいところであり悪いところでもあった。


が、残念ながら嫌な予感は的中した。

村の門に護る兵士がいないのだ。つまり、この村は無防備だということになる。

「こりゃ、他の村が攻めてきたとき簡単に落ちるぞ。」

と独り言をつぶやき、ロイは中に入って行った。

が、先ほどから人が見当たらない。歩行者は愚か、店の主までいなかったらこの村人たちは困るだろう。しかし、居ないものはいないのだから仕方がない。ロイは

「よっしゃー、ラッキー、じゃなかった・・・。もう店の人がいないならしょうがない・・・。本当に残念だが、買えないのならもらうしかないだろ・・・。」

と、作ったように言って、店の中に入って行った。


「おいおい、なんだこりゃ?」

と言わざるを得なかった。なぜなら、武器屋はこれでもかと言うほど荒らされ、ほぼすべての物が盗まれていたのだ。

仕方なく何も買わずにロイは店を出た。中央広場で祭りでもやっているんだろうと、中央広場を目指した。すると、何やら大きな音が聞こえてきた。やっぱり、祭りかと結論付けた瞬間だった。それが、辞めろや出ていけなどの怒声と聞こえるまでのに時間はいらなかった。


もしかしてとロイは歩調を早めた。中央広場に着くと、ある建物を村人が囲んでいる。

そうそれは、もうあなたにはついていけないとの、村人の心の声であり、あらたな長が決まる戦争でもある。


反政府デモ隊と政府など豊かな生活をしている者たちとの戦争なのだ。


言うまでもなく内戦である。


第5話に続く

後書き


えー今回の後書きは緑騎士のワロフが努めます。

立派にやっときたいですね!!


ワロフ えー、今回は凄いことになっちゃいましたね・・・。(以後、ワ)

男 よう!色騎士にも認められたこの俺が説明してやるぜ!(以後、オ)

ワ なんでてめぇが出てくる(怒)

オ お前が俺を警戒したんだろ。づっと警戒し続けろよ!

ワ あぁん、てめぇなんだ?その口のきき方は。

オ やんのか?じゃなくて、えーと、すみませんっ(全力で土下座!)

ワ てか、お前オレに斬られたじゃねぇか。なんでこんなとこにいんだよ。

オ しらねぇよ。作者に聞け、作者に!

ロイ あーぁ、けんかになっちゃった。作者が、余計なキャラを作るから悪いんだよ!(以後、ロ)

オ 余計とはなんだっ。余計とは。

ロ ギロリ!

オ すみませんでしたっ(全力で土下座2)

作者 おいおい、けんかはやめろって。元の原因は誰だ!(以後、作)

全員 いっせーので!(指を指す)

オ なんで俺なんだよ!おかしいだろっ!

作、ロ、ワ あぁん!

オ すみませんでした(全力で土下座3)


次回予告


えー、引き続き、ワロフがこのコーナーを担当します!


次回、内戦勃発!


ロイの運命は!?


そして、ワロフが拾ったシュールとは何者なのか!?


次回も見どころ満載!


おたのしみに!

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