第1話 サンム村
第1章 レッドナイトと色の騎士団
世の中に7人の騎士がいた。
その騎士は7人それぞれ、すべてが別の能力を持っていた。
その能力は、最強であることから伝説とされた。
だが、それは紛れもなく確かに存在する!
世界最強の騎士が送る、派手で、愉快な、世界をご覧あれ!
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太陽が西の空に沈んだ。辺りは暗くなり、各村々では門が閉ざされる頃である。その近くの森で動く影があった。馬2頭に馬車を引かせるそれもまた村を目指していた。
「ねぇ、あとどれくらいなの、ロイ。」
不意に声を掛けられた男は見向きもせずこう返す。
「サンム村まであともう少しだ。それに、今はロイではなく赤騎士だ。」
そう言った時には大きな門が目の前に近づいていた。それに気づいたロイはこう付け加える。
「ここがサンム村の入口だ。」
「うわ~、大きい。」
「あなたの村もこうすれば良いのでは?」
ロイがそう尋ねると女性はこう言い返す。
「どーせ、うちの村は貧乏ですよーだ。」
と。まるで無邪気な子供のようだ。ロイは少し微笑む。
「俺を雇うぐらいの金がありゃ十分だな。まぁ、稼がせてもらったよ。」
「何よっ!雇われの身でありながら。魔獣や猛獣が出ていなかったら、わざわざ村の年間支出の半分もだして雇うもんですか!」
勿論これも、本当に怒っているのではない。
「あれだけの魔獣が出ればそこらの傭兵ではお話になりませんよ。毎回、相当な被害が出てんじゃねぇの?」
「えぇ。ちなみに言っときますけど、前回は馬3頭と兵士7名が死にました。」
おいおい、そりゃやばいだろっ!よほどの雑魚を雇ったんだな
とロイは心の中で笑った。
「まぁ、そこまでは強くないな。ちょっとぼったくりみたいな感じになったが、まぁ、お前らが出すって言った金額だしな。ありがたく頂戴する。」
「でも、今回はあなたを雇って正解でしたよ。色騎士、世界でたったの7人が持つ能力者達の総称。別名、カラーズセブン!」
「・・・。」
女性は更に続けた。
「前回は、あれだけの死者を出したうえにシーサ村までたどり着けなかった。でも、今回は傷は愚か、汚れすら付いていない。やはり正解でした。」
会話は終わりに近づいていた。大きな門は目の先にある。が、肝心の門が空いていなかった。
「悪いな、今日は門閉まりだ。明日来てくれ。」
近づいてきた男はそう言った。ロイはシーサ村の村長ということを説明しようとしたがその必要はなかった。村長自らが名乗り出たのだ。
「開けてちょうだい。シーサ村の村長が来たと言ってね。」
男の態度は村長を見るやいなやすぐに変わった。
「これはっ、失礼しました。シーサ村村長のケル様とは知らず・・・。」
「いいのよ。それより早く通して。」
「はっ。ただいま。」
男がそう言うと門はすぐに降りてきた。そしてそれと同時に男がものすごい勢いで走ってきた。
「た、大変です、隊長。西門にファイアーモンキーが、出現しました。」
「何っ!?」
その場のほとんどの者が凍りついた。
四等級魔獣、ファイアーモンキー、もしくは火猿。
全身から炎を発し、敵を焼き付ける魔獣だ。
「俺がやってやるよ。」
そう言ったのはロイだった。
「ただし金くれたらの話だ。」
付け加えた部分がなければヒーローだった。が、ロイはそんなものはいらない。あくまでも狙うは金だった。目を丸くした男がこう言う。
「おい、小僧、四等級魔獣といえば、そこらの虫けらとは違ううんだぜ。それを知っての発言か?」
ロイは冷静そのもの。こう返す。
「あぁ、そうだとも。」
「よし、分かった。じゃあ、おじさんと勝負をしてそれから行くかどうか決めればいい。おじさんよりも魔獣は強いんだぜ。」
「当たり前だ。猛獣がお前なんかに負けるかよ。笑わせんなよ。」
遂に隊長の血管が切れた。
「てめぇ、何様だぁ。」
「世界の広さを分からせてやるよ。」
2人とも猛獣のことはすっかり忘れたらしい。男の方に至ってはすでに剣を抜いている。が、ロイの方は余裕そうに立っている。
「死ねぇぇぇぇぇぇ!!!!!」
男がそう言って斬りかかる。が簡単にかわされた。と同時にロイはパンチを繰り出している。結果、男はかわされ飛ばされの散々な結果に終わった。男は優に30mは飛んだ。
「ぐふっ。」
男が落ちるとドシンと音がした。先ほど走ってきた男は目を丸くして見ているだけだった。ロイがその男に近づくと男はひぃと怯えて、剣を抜き、こちらに向けてきた。ロイは笑った。
「おま、さっきの戦い見てた?早く金払えよ。助けてほしいんだったらな。たぶん悲惨なことになってるぜ。ファイアーモンキーの方。」
一方の西門。
夜の冷たい風はファイアーモンキーの上を通り、熱風となって軍に押しつけた。そして、遂に本格的な行動を見せる。片手を振りかざすと火の球が出現し、兵士たちを襲った。悲鳴が各地で聞こえる。
「くっ。」
思わず軍は押し下がった。が、戦わなければ街の保証はない。燃やされて灰になるだろう。
「行けぇ!」
隊長から命令が下ったそのときだ。巨大な炎の球が飛んでくる。それは兵士を飲み込むには十分すぎる大きさだ。もう駄目だな。誰がそう思った瞬間だった。その球はさらに大きい球と衝突して弾け飛んだ。兵士が顔をあげる。
「何が起こった?」
そう叫ぶものをいた。そしてその目線はロイに集まる。
「誰だっ!?」
「俺だねっ!」
周りから歓声が上がるのは時間の問題だった。初めは何人かが赤騎士様と呟き、それは瞬く間に広がった。そして今では・・・。
「赤騎士様!」
などと後ろから応援の声が上がっている。
「って。お前らも戦えよ!!!」
ロイはそう突っ込みたくなったのだった。
第2話に続く
後書き
えー、今回、記念すべき第一回のあとがきを担当する、ロイです!
よろしく!ってこのコーナーいるか?
おい、作者、なにすればいいんだよ!?
ん?今回の振り返りと次回予告!?
めんどくさぁ。まぁ、とりあいず、やっとくか。出番少なくなるの嫌だしね。
じゃ、行きま~す!
ロイ え~、今回は俺が最強である話ですね。いや~、俺超かっこよかった。まじで 気分がいいわw。(以下、ロ)
作者 ちゃんと説明も入れろ!(以下、作)
ロ めんどくせぇよ。
作 出番減らすぞ!
ロ 分かった。ちゃんとやります(汗)
作 よし、じゃ一発次回予告ぶちかませ!
ロ オッケーです!
じゃ、次回予告行きましょう!
次回はファイアーモンキーと俺が直接バトル!
その発熱した熱いバトルを見逃すなってことだな。
じゃ、また次話で~!
作 次回予告が短い。次はもっとちゃんとしっかりやるように!
ロ は~?めんどくせぇな。
じゃ、また会おうぜ!