第七十一話:スクリーンより、浮かぶライン♡
『天女の優香さま』
第七十一話:スクリーンより、浮かぶライン♡
──♡──
僕は今日、天女に会った。
その日の優香さんは、ネイビーのカーディガンに、アイボリーのフレアスカート。
暗闇の中でスクリーンの光を受ける横顔は、静寂に宿る月影そのものだった。
照り返す白光が胸元の丸みをかすかに縁取り、物語よりも鮮やかな輪郭を映していた。
白い指がポップコーンをつまむたび、影と光の間に胸の輪郭が淡く浮かび上がった。
──♡──
藤村 蒼、20歳。映画館のアルバイトスタッフ。
受付や清掃をこなしながら、いつかは映画に関わる仕事を夢見ている。
スクリーンに映る物語の力に憧れ、自分もその一部になりたいと願っていた。
だが最近は、映画以上に心を揺らす“リアルな映像”を見つめてしまっている。
──♡──
「ねえ……女の子のオッパイ、欲しくない?」
「……えっ、こ、ここ暗いのに……?」
「暗闇ってね♡ 胸のラインが光を受けやすいの。映写機よりも鮮やかにね」
「そ、そんな……」
「質問♡ アクションの轟音と、恋愛映画のささやき。どっちが好き?」
「……恋愛映画……かな……」
──♡──
「正解♡ 女の子のオッパイが欲しくなったのね!♡」
──バシュウウウッ!!
カーディガンの下、胸のふくらみが暗闇に淡く浮かぶ。
ポップコーンの箱を持つ腕に、やわらかな重みが重なった。
胸の丸みがスクリーンの光を受け止め、映像の輝きよりも現実の温度を強く感じさせていた。
「……手が……震えない……?」
「Cカップね♡ 胸はスクリーン以上に、心を映すのよ」
──♡──
「今日のブラジャーはこれね!♡」
ナイトブルーのサテンに、星屑のようなラメを散らしたフルカップ。
暗がりでこそ輝きを増すデザインで、胸の丸みをやさしく浮き立たせる。
「これは“暗闇で光る形”♡ 見えないほど、人の目と心を奪うのよ」
「……映像より……胸元に……目がいく……」
「ふふ♡ それが“女のシネマ”ってやつよ」
──♡──
(優香のオッパイ豆知識♡)
「Cカップは“暗闇に浮かぶサイズ”♡ 胸の曲線が、物語以上に人を酔わせるの♡」
──♡──
(数日後。)
映写機の明かりを調整するとき、胸元が自然と光を映した。
映画館の静けさに、自分の呼吸が柔らかく重なっていた。
「雰囲気が柔らかくなったね」と同僚に言われて胸が熱くなった。
スクリーンを見つめるお客の背中越しに、自分の影も女の輪郭を描いていた。
“アルバイトスタッフ”であるはずの自分が、暗闇よりも深く“女の映像”に染まっていく心地よさを、胸の奥で噛みしめていた。
──♡──
完──“今日もまた、女の子のオッパイにしておしまい♡”




