第六十八話:木べらより、ふくらむ甘味♡
『天女の優香さま』
第六十八話:木べらより、ふくらむ甘味♡
──♡──
僕は今日、天女に会った。
その日の優香さんは、浅葱色の絞りの羽織に、生成りのロングスカート。
木べらで餡を練る横顔は、淡い蒸気に包まれた幻そのものだった。
湯気に揺れる頬をかすめる髪のひと筋までも、甘味の香りに溶けて見えた。
袖口からのぞく白い指が、鍋の底をなぞるたび、空気に甘い熱を忍ばせていた。
──♡──
小田切 悠、23歳。老舗和菓子屋で修行中の見習い。
季節の移ろいを和菓子で表現することに惹かれ、この道を選んだ。
ただ、形を整える手つきがまだぎこちなく、自分でも未熟さを痛感している。
それでも「甘さ以上のもの」を、指先に宿す日を夢見ている。
──♡──
「ねえ……女の子のオッパイ、欲しくない?」
「え……こ、こんな厨房で……?」
「餡をすくう胸元ってね♡ 丸みと柔らかさが、一番よく映えるの」
「そ、そんなこと……」
「質問♡ よもぎ餅のほろ苦さと、桜餅の香り。どっちが好き?」
「……桜餅、かな……」
──♡──
「正解♡ 女の子のオッパイが欲しくなったのね!♡」
──バシュウウウッ!!
白衣の下、シャツの胸元がじんわりとせり上がる。
木べらを握る腕に、柔らかい重みが自然に添ってきた。
混ぜる円の軌跡に胸の丸みが重なり、まるで“甘さのかたち”が身体に宿ったかのようだった。
「……手の動きが……なめらかに……?」
「Cカップね♡ 胸のふくらみは、和菓子の丸さに宿るのよ」
──♡──
「今日のブラジャーはこれね!♡」
桜色のシルクに、白の刺繍を重ねたフルカップタイプ。
ふくらみをやわらかく支え、丸さをそのまま映すデザイン。
「これは“隠す甘味”♡ 見せないほうが、味も姿も深まるのよ」
「……混ぜる手首が……自然と優しく……」
「ふふ♡ それが“女の練り”ってやつね」
──♡──
(優香のオッパイ豆知識♡)
「Cカップは“季節を運ぶサイズ”♡ 胸の丸みが、甘味と同じく人を癒すの♡」
──♡──
(数日後。)
鏡の前で木べらを持つ姿に、胸のふくらみが自然に映った。
菓子を丸める掌に、女の余韻が柔らかく宿っていた。
「仕上げがきれいになったね」と親方に言われて、胸が熱を帯びた。
餡をすくうたび、胸元の呼吸が甘さと重なっていた。
“見習い”であるはずの自分が、甘味以上に“女の余白”を抱きはじめていることに、心の奥で震えていた。
──♡──
完──“今日もまた、女の子のオッパイにしておしまい♡”




