第六十七話:カットシザーより、揺れるライン♡
『天女の優香さま』
第六十七話:カットシザーより、揺れるライン♡
──♡──
僕は今日、天女に会った。
その日の優香さんは、ラベンダー色のブラウスに、ベージュのタイトスカート。
鏡の前でハサミを構える横顔は、光そのものを切り取るように澄んでいた。
刃先が髪をすべるたび、空気の粒子までも揺らぎ、胸の奥に甘い震えを落としてきた。
髪をすくう指先が肩に触れるたび、シャンプーの残り香よりも甘い吐息を誘っていた。
──♡──
市原 玲央、26歳。美容室でアシスタントをしている。
まだカットは任されず、シャンプーやカラーを担当する日々。
だが髪を触れる仕事に誇りを抱き、“自分の手で変化を生む瞬間”を夢見ている。
それでも心のどこかで、「髪以上に変わるもの」を探し始めていた。
──♡──
「ねえ……女の子のオッパイ、欲しくない?」
「……っ!? え、僕がですか……?」
「髪を切る腕ってね♡ 胸元のラインが自然に映るの。刃先よりも柔らかいのよ」
「そ、そんなこと……」
「質問♡ ドライヤーの温風と、シャンプーの泡。どっちが好き?」
「……シャンプーの泡……かな……」
──♡──
「正解♡ 女の子のオッパイが欲しくなったのね!♡」
──バシュウウウッ!!
胸の前でクロスを整える仕草と同時に、白いシャツの下がふくらんでいく。
カットクロスの内側に隠れた柔らかさが、鏡に映る自分を静かに震わせた。
胸の重みが腕を導くように、ハサミの開閉までも女らしいリズムに変わっていった。
「……手首の角度まで……なめらかに……?」
「Cカップね♡ 女の胸は、ハサミのリズムすら変えるのよ」
──♡──
「今日のブラジャーはこれね!♡」
ピンクベージュのモールドカップに、繊細な花模様の刺繍をあしらったタイプ。
胸をしっかりと包み、シルエットをなめらかに整えるデザイン。
「これは“鏡映えする形”♡ 胸の丸みが、光を受けてお客様の視線を惹きつけるの」
「……鏡の中の自分まで……女に見える……」
「ふふ♡ それが“カットラインの魔法”なの」
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(優香のオッパイ豆知識♡)
「Cカップは“鏡に映えるサイズ”♡ 自分の変化に気づくたび、笑顔が自然に生まれるの♡」
──♡──
(数日後。)
ドライヤーをかけるとき、腕の動きに胸の揺れを感じてしまった。
シャンプーのとき、胸の丸みが自然と相手との距離を変えていた。
「手つきが優しくなったね」と先輩に言われて、頬が熱を帯びた。
鏡の中に映る立ち姿が、確かに女らしい線を描いていた。
美容の仕事に励むはずの自分が、“女に整えられていく”心地よさに微笑んでいた。
──♡──
完──“今日もまた、女の子のオッパイにしておしまい♡”




