第六十五話:しおりより、ふくらんだ胸板♡
『天女の優香さま』
第六十五話:しおりより、ふくらんだ胸板♡
──♡──
僕は今日、天女に会った。
その日の優香さんは、クリーム色のカーディガンに、墨色のプリーツスカート。
ページをめくる横顔は、インクの香りと同じくらい深く人を酔わせるものだった。
指先で紙をなぞるたび、空気がきらりと震えて、静かな店内に余韻を残した。
本を棚に戻す所作は、静謐な図書館の空気をもやわらかく揺らしていた。
──♡──
河合 真司、22歳。駅前の大型書店で働くアルバイト店員。
大学で文学を学びながら、好きな小説の棚を任されることに誇りを持っている。
けれど接客となると、どうしても声が小さく、自信を失ってしまう。
本の世界では堂々としているのに、現実の自分にはいつも影が差していた。
──♡──
「ねえ……女の子のオッパイ、欲しくない?」
「えっ……ぼ、僕がですか……?」
「本を抱える胸元ってね♡ ラインが自然に浮くから……女の曲線と重なるのよ」
「そ、そんな……」
「質問♡ 新刊の香りと、古書の匂い。どっちが好き?」
「……古書の匂い、かな……」
──♡──
「正解♡ 女の子のオッパイが欲しくなったのね!♡」
──バシュウウウッ!!
カーディガンの下、シャツの胸元がやわらかくせり出して、本を支える腕に丸みを重ねる。
分厚い全集を抱えたとき、その重さがふんわりと胸に馴染んだ。
胸の奥で、とくんと響いた鼓動さえ、まるで新しい物語のページを開いたみたいだった。
「……あ……本が……落ちない……?」
「Cカップね♡ 本を包む仕草に、“女の余白”が生まれるのよ」
──♡──
「今日のブラジャーはこれね!♡」
アイボリーのコットンに、レースをあしらったシンプルなフルカップデザイン。
包み込む面積が広く、安心感と柔らかさを同時に与える仕様。
「これは“知的な色香”の象徴♡ 胸を隠すほど、視線はかえって惹きつけられるの」
「……ページをめくる指先まで……女らしい……」
「ふふ♡ それが“読書する胸元”の魔法なの」
──♡──
(優香のオッパイ豆知識♡)
「Cカップは“抱える仕草を美しくするサイズ”♡ 本でも花束でも、胸の前で輝きを増すの♡」
──♡──
(数日後。)
レジでお釣りを渡すとき、胸元に自然と余裕を感じるようになった。
書棚の本を抱え直すとき、腕の中に柔らかい丸みが重なった。
後輩から「先輩、雰囲気変わりましたね」と言われて、思わず赤面した。
鏡に映る立ち姿に、本を持つ仕草が“女の線”を描いているのを知った。
紙の匂いとともに、“女の自分”を開いていく心地よさを、そっと楽しんでいた。
──♡──
完──“今日もまた、女の子のオッパイにしておしまい♡”




