第四十話:作業服の下、やわらかいトルク♡
『天女の優香さま』
第四十話:作業服の下、やわらかいトルク♡
──♡──
僕は今日、天女に会った。
その日の優香さんは、シャンパンベージュのロングコートに、黒のブーティ。
工具の油染みひとつない空間に現れた彼女は、まるで“風景そのもの”を塗り替えるようだった。
ふわりと外したマフラーを整える所作さえ、異世界の仕草に見えた。
──♡──
白井 岳、32歳。地元の整備工場で働く自動車整備士。
子どもの頃から車が好きで、整備士になった今でも、休日は一人でバイクをいじっている。
無口な性格で、職場でも淡々と仕事をこなすタイプ。
最近は後輩育成も任されるようになり、ちょっとだけ“見られる立場”を意識している。
──♡──
「ねえ……女の子のオッパイ、欲しくない?」
「……は……?」
「作業着って、意外と胸が目立つのよ♡ 下に着るもの次第で、ね」
「……何の話を……」
「質問♡ 溶接の火花と、ホットミルクの湯気。どっちが好き?」
「……後者……かな」
──♡──
「正解♡ 女の子のオッパイが欲しくなったのね!♡」
──バシュウウッ!!
ツナギの胸元が、じわりと内側からふくらむ。
ファスナーの下で、やわらかなカーブが静かに形をとる。
「……な、なんだこれ……腕が……自然と動きやすくなってる……」
「Bカップね♡ 力を抜いた“女の重心”って、案外バランスいいのよ」
──♡──
「今日のブラジャーはこれね!♡」
グレージュのコットン素材。ワイヤーなしのハーフトップタイプで、肌にふんわり寄り添う。
汗を吸いながらもかすかに張りが出るよう、内側に薄いメッシュを仕込んでいる。
「これは“動きやすさと女性らしさの両立”♡ 作業中も、身体が勝手に覚えてくれるの」
「……この密着感……工具に手を伸ばすとき、なんか違う……」
「ふふ♡ それが“女のトルク”ってやつよ」
──♡──
(優香のオッパイ豆知識♡)
「Bカップは“作業に溶け込むサイズ”♡ ねじを締める手元が、いちばん色っぽいの♡」
──♡──
(数日後。)
朝、作業着に着替えるとき、いつもより少しだけ丁寧に整えるようになった。
胸ポケットのペンの位置が気になって、鏡の前で確認することが増えた。
後輩に「白井さん、最近ちょっと雰囲気変わりましたね」と言われた。
誰にも言わず、でもひとりで嬉しくなって、心の中でそっと返事をした。
“整備士”という肩書きのまま、“女”になっていく実感が、少しずつ満ちていた。
──♡──
完──“今日もまた、女の子のオッパイにしておしまい♡”




