第三十八話:帰り道に、ゆれる帰属♡
『天女の優香さま』
第三十八話:帰り道に、ゆれる帰属♡
──♡──
僕は今日、天女に会った。
その日の優香さんは、キャメル色のコートに、ロングブーツ姿だった。
肩までの髪が風に揺れて、薄く光るイヤリングがちらりと瞬いた。
振り向くしぐさだけで、街の風景が一枚の絵のように変わって見えた。
──♡──
川端 悠翔、24歳。小さな出版社で働く新人編集者。
毎日深夜帰宅、仮眠、出社の繰り返しで、駅と会社の往復しか記憶に残っていない。
誰かの文章に感動するより前に、自分の言葉すら置き忘れていた気がする。
そんな帰り道──鏡に映った自分の輪郭が、ふと、いつもと違って見えた。
──♡──
「ねえ……女の子のオッパイ、欲しくない?」
「っ……優香さん……こんな帰り道で……っ」
「うふふ♡ “終電のホーム”って、女の子になりたい気持ちが浮かびやすいのよ」
「ま、まさか……そんな……でも……」
「質問♡ 名前を呼ばれたいのと、秘密のままでいたいの。どっちが本音?」
「……名前……かな……呼んで、もらいたい……」
──♡──
「正解♡ 女の子のオッパイが欲しくなったのね!♡」
──バシュウウッ!!
スーツのインナーが、ふわりと膨らんでいく。
薄い胸元に浮かんだ丸みが、ネクタイの結び目をそっと押し返してきた。
「っ……わ……なんか……軽くなった、肩が……?」
「Cカップね♡ “重さ”じゃなくて、“収まる場所”ができたのよ」
──♡──
「今日のブラジャーはこれね!♡」
くすみローズのリボン付きモールドブラ。どんな服にも響かない、ナチュラルな丸みをつくる設計。
脇高デザインでしっかりホールドしつつ、肩紐は細く、肌に溶け込むようなフィット感。
「これは“帰る場所ができた胸”♡ どんな日でも、わたしでいられるように包んでくれるの」
「……ちゃんと、つけられる……違和感がない……」
「うふふ♡ そう、“違和感がない”って、女の子にとって一番大事なことよ」
──♡──
(優香のオッパイ豆知識♡)
「Cカップは“ただいま”って言われたくなるサイズ♡ 触れなくても、迎えてくれるの♡」
──♡──
(数日後。)
会社帰り、スマホを見ながら胸元を隠すクセがついた。
地下鉄の窓に映る自分が、どこか“ちゃんとしている”気がする。
帰宅後のブラを外す瞬間だけは、どんな原稿よりも息が深くなった。
「お疲れさま、悠翔ちゃん」と優香の声が耳に残ることがある。
それだけで、今日もちゃんと“わたし”でいられた気がする。
──♡──
完──“今日もまた、女の子のオッパイにしておしまい♡”




