第二十九話:お迎えは、バストでどうぞ♡
『天女の優香さま』
第二十九話:お迎えは、バストでどうぞ♡
──♡──
僕は今日、天女に会った。
その日の優香さんは、ライトグレーのワンピースに、ミントグリーンのストール。
やわらかなドレープが、歩くたびに風をまとう。
駅の改札で手を振る姿は、まるでドラマのワンシーンのように、やわらかく光っていた。
──♡──
井上 渉、30歳。小学校の送迎バスを担当している。
朝と夕方のルートを、静かに、正確にこなすのが日課だ。
子どもは好きだが、人と話すのは苦手で、会話は最低限しかしない。
けれど最近──少しだけ、自分の“印象”が変わってきている気がしていた。
──♡──
「ねえ……女の子のオッパイ、欲しくない?」
「えっ……あ、優香さん! そんな、大声で……!」
「うふふ♡ “胸が当たってた”って、気にしてたでしょ?」
「い、いや……当たってたというか、その、気のせいかと……」
「でも、鈍感なふりをしても……背中って、正直なのよ?」
優香さんは、にじむような笑みで、そっと僕の背にまわった。
「質問♡ “寄せてあげる”と“自然に揺れる”、どっちがときめく?」
「……自然に……かな……」
──♡──
「正解♡ 女の子のオッパイが欲しくなったのね!♡」
──バシュウウッ!!
ぶわっ……と、胸の奥から押し広げられるような熱が走った。
運転席の背もたれに、柔らかな重みがふわっと押し返してくる。
制服のシャツが、胸の先端でわずかに張りつめる。
シートベルトが、その丸みをなぞるように位置を変えていく。
「……ま、また……これ、ほんとに俺の……?」
「Cカップね♡ お迎えにぴったりの、“やさしいバスト”よ」
──♡──
「今日のブラジャーはこれね!♡」
ベージュのモールドカップブラ。
肩紐も脇高仕様で、運転中でもフィット感を保ち、胸全体をふんわりと包みこむ。
「これは“包容感ドライバー”用ブラ♡ 子どもを安心させるには、まず自分が守られてなきゃね♡」
「……そ、そういうもんなんですか……?」
「そうよ♡ 胸元が、やさしい空気をまとってなきゃ、子どもも気づいちゃうもの」
──♡──
(優香のオッパイ豆知識♡)
「Cカップは“安心とぬくもり”のサイズ♡ バス停で待ってる子が、真っ先に抱きつきたくなるのよ♡」
──♡──
(数日後。)
「バスの先生、なんかママっぽい〜!」と笑う声に、反応しなくなっていた。
エンジンをかける前に、そっと胸元を確認するのが日課になる。
シートベルトのやさしい圧が、“守る”感覚と重なっていく。
守っているつもりが、いつのまにか──この胸に、守られている気がしていた。
今日はストールの色も、ミントからやさしいピンクに変えてみた。
やわらかなハンドルを、静かに、しっかりと握る。
──♡──
完──“今日もまた、女の子のオッパイにしておしまい♡”
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