第十五話:マドンナサイズのGカップ♡
『天女の優香さま』
第十五話:マドンナサイズのGカップ♡
──♡──
僕は今日、天女に会った。
その日の優香さんは、くすみピンクのカシュクールワンピースに、細いベージュのベルトを合わせていた。
風にそよぐたび、胸元のドレープがやわらかく波打つ。
ゆっくりと振り返ったその動きは、まるで“時間の流れそのもの”が彼女の味方をしているようだった。
──♡──
田所貴広、31歳、地方銀行の融資課勤務。
融資審査は早くて正確、支店内でも信頼は厚い。
けれど最近は、書類に目を通すたび、なぜか「心」だけが浮ついている気がしてならない。
その違和感を、自分だけが気づいていない──ふりをしている。
──♡──
「ねえ……女の子のオッパイ、欲しくない?」
「えっ……!? いや、僕は別に……!」
優香さんは、やわらかく微笑んで、ふわっと距離を詰めてきた。
その一歩が、不思議なほど“すべてを許してしまう空気”を連れてくる。
「質問♡ ノンアルコールカクテルと、赤ワイン。どっちが好き?」
「……ノンアル、ですかね……今は……」
──♡──
「正解♡ 女の子のオッパイが欲しくなったのね!♡」
──バシュウウッ!!
胸の中心に、ずしんと重いものが芽吹いていく。
息を詰まらせるような熱。確かな重量が、身体の前面にゆっくりと満ちていった。
「……うっ、なんだこれ……っ!?」
「ふふ♡ Gカップね。貫禄たっぷりの“マドンナサイズ”よ」
──♡──
「今日のブラジャーはこれね!♡」
ボルドーの総レースに、ゴールドのチャームが揺れる一着。
サイドベルトは細い紐だけ。大胆に肌を透かしながらも、どこか気高い存在感を放っていた。
「これは“誘惑の糸ブラ”♡ 視線と心を、どちらも結んで離さないの」
「……えっ、こんなに……透けてるのに……なぜか、ちゃんと似合ってる……?」
「ふふ♡ “説得力”って、オッパイにも宿るものなのよ」
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(優香のオッパイ豆知識♡)
「Gカップは、“重さ”が魅力♡
ひと揺れごとに、恋が生まれるの♡」
──♡──
数日後。
支店のガラス扉に映った自分を見て、ふと足が止まった。
動くたびに揺れるラインに、“人としての温度”を感じてしまう。
「最近なんか、柔らかくなったね」──後輩女子のその言葉に、返事ができなかった。
鏡の前で、ボタンを一つ開けるたび、理由のない自信が芽生える。
そう、“わたし”が、ここにいる。
──♡──
完──“今日もまた、女の子のオッパイにしておしまい!”
──♡──
【“説得力”のある女へ──】
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次回の“秘密のサイズアップ”も、お楽しみに。