第十三話:オフィスチェアと、スーツの中のやわらかさ♡
『天女の優香さま』
第十三話:シャツ越しの、やわらかい違和感♡
──♡──
僕は今日、天女に会った。
その日の優香さんは、グレージュのパンツスーツに身を包んでいた。
黒縁メガネをそっと外しかけたその瞬間──
オフィス街のカフェの窓際で、彼女だけが時間の流れを変えていた。
──♡──
朝井 稜太、29歳。経理部主任。
地味で無口、几帳面。“真面目すぎる男”と陰で言われているのを、なんとなく知っている。
書類を黙々と仕分け、数字に囲まれて日々を過ごす。
趣味も特にないが、コーヒーの味には少しだけこだわりがある。
──♡──
「ねえ……女の子のオッパイ、欲しくない?」
「……は……? えっ、いや……」
カフェの空気が変わっていた。
気づけば、隣の席に優香さんが座っている。
ノートパソコンを閉じ、こちらに身体ごと向けてきた。
「質問♡ スーツのインナー、Vネックとラウンドネック、どっちが落ち着く?」
「……V……ですかね」
──♡──
「正解♡ 女の子のオッパイが欲しくなったのね!♡」
──バシュウウッ!!
胸の奥がじわりと熱くなる。
シャツの内側から、やわらかな重みがふくらんでいく。
背筋を伸ばそうとすると──その感触が、ぐっと返ってきた。
「っ、ちょっ……な、なんだこの……やわらか……」
「Cカップね♡ オフィスチェアにもちゃんと合うサイズよ?」
──♡──
「今日のブラジャーはこれね!♡」
ベージュのシームレスブラ。ワイヤーなしで、スーツの下でも輪郭が響かず、ぴったりフィット。
前中心には、小さなゴールドのチャームが光っている。
「これは“バレないけど、触れたくなる”スーツ用ブラ♡」
「さ、触れ……!? いや、でも……これ、着けたら……」
「ふふ♡ ちゃんと自分で気づいてるでしょ? “もう男のシャツじゃない”って♡」
──♡──
(優香のオッパイ豆知識♡)
「Cカップは“椅子で気づくサイズ”♡ 背もたれのカーブに、いちばん反応するの」
──♡──
数日後。
会議中、背もたれにゆっくり体を預けたとき、胸がそっと押し返してきた。
インナーがずれないよう、さりげなく直す仕草が──自分でも、少しだけ色っぽいと思ってしまった。
ふと、斜め向かいの席から、女性同僚の視線を感じた気がした。
でも僕はただ、静かにホットコーヒーをひと口すするだけだった。
「……うん、悪くないかも……」
──♡──
完──“今日もまた、女の子のオッパイにしておしまい!”
──♡──
【今日も、スーツの下に“違和感のないふくらみ”──♡】
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オフィスチェアが、ふわっと揺れる午後に──また、会いましょう。