第壱話:ピンクのレースに包まれて♡
この物語に登場する「篠宮優香さん」は、ちょっと不思議な人です。
いつもふんわり笑っていて、どんな男の人にも、こう言います。
「ねえ……女の子のオッパイ、欲しくない?」
そして、おもちゃみたいに可愛いピンクの光線銃で──
“女の子の胸”を、ほんとうに、つけてしまうのです。
これは、そんな優香さんに“つけられちゃった男たち”の、ある日のお話。
──♡──
『天女の優香さま』
第壱話:ピンクのレースに包まれて♡
──♡──
僕は今日、天女に会った。
その日の優香さんは、白のニットトップスにサーモンピンクのフレアスカート。
袖口からのぞく手首が、まるで桃の花のようにやわらかかった。
風がその髪をすくいあげたとき、ただ香りだけが、時の流れを止めた。
──♡──
佐原 悠、25歳、事務職。
地味で目立たず、学生時代のあだ名は「背景くん」。
今でも飲み会では「とりあえずビール」の返事役ばかり。
でも最近、ふと見かけた“モテる男子の秘訣”特集に目が止まった──なぜだろう、それが他人事に思えなかった。
──♡──
「ねえ……女の子のオッパイ、欲しくない?」
「へっ……!? な、なに言って……」
優香さんの声は、僕の背後からふわりと届いた。
振り返った瞬間、彼女はもう、目の前にいた。
「質問♡ 守ってあげたくなるのと、守られたくなるの。どっちが好き?」
「……守られたい、……かも……」
──♡──
「正解♡ 女の子のオッパイが欲しくなったのね!♡」
──バシュウウッ!!
胸の奥で、淡い花びらがそっと開くような感触が広がっていく。
中心からふくらむように、じわじわと胸が押し上げられていった。
「うそ……これ……本当に、僕の……?」
「Bカップね♡ 初めての“ドキドキ”にぴったりなサイズよ」
──♡──
「今日のブラジャーはこれね!♡」
ミルキーピンクに白レースをあしらった、パッド入りのブラ。
センターには、小さなハートのチャームが、胸の鼓動に合わせて微かに揺れていた。
「これは“守られたい子”のブラ♡ 胸ごと、誰かにすっぽり抱きしめてもらいたくなるの♡」
「……なんだろう。見えないはずなのに……胸に意識が向くって、こういうことなんだ……」
「ふふ♡ それが“女の仕草”ってことなのよ」
──♡──
(優香のオッパイ豆知識♡)
「Bカップは“最初の恋”みたいなサイズなの♡
甘くて、少しだけ不安で……でも、愛される準備はできてるの♡」
──♡──
数日後。
制服のシャツの奥で、そっとふくらんだ胸がインナーに触れていた。
ほんの数ミリの差なのに──なぜだろう、世界がまるごと柔らかくなったように思えた。
階段を上がるたび、胸がふわっと揺れて、心までいっしょに弾んでしまう。
“ある”という感覚が、日常をひとつずつ、塗り替えていく。
……くせになりそう。
──♡──
完──“今日もまた、女の子のオッパイにしておしまい♡”
──♡──
「……ねえ。いま、胸がちょっとだけあたたかくなったでしょ?
だったら──“ブクマ”と“評価”、どっちも押してくれたらうれしいな♡」